Frontier Story 2

「この家すごい」と
言わせたい

新築事業
2007年入社/芝浦工業大学卒

中村 諒太Nakamura Ryota

商品開発部 商品開発課
シニアデザイナー
一級建築士
インテリアコーディネーター

Frontier Story 2フロンティアストーリー

こだわりのお客さまとの出会い

ゴールデンウィーク前の休日、営業からの1本電話がありました。「この日って会社来れる?」「提案してほしいお客さまがいる」と。詳しく聞くと、敷地もボリュームもそれなりに大きく、デザインを意識したものを作ってほしい、との依頼でした。お客さまはデザインにとてもこだわりがある方のようで、建物の設計はもちろん、プレゼンテーションの方法も工夫をしないといけないと思いました。

まずはお会いしてヒヤリングをさせていただきましたが、担当営業はデザイナーを連れてきますと紹介しているので、私もプレッシャーを感じつつ、お客さまも私の提案力を見極めるつもりでいらっしゃる雰囲気でした。

お客さまの敷地は一団地のメイン通りに面しており、そこから見える外観をとても気にされている印象でしたので、間取りのご要望を叶えつつもインパクトのある外観ファサードを手描きのスケッチで提案をさせていただきました。初回の提案ではとても緊張しましたが見事にはまり、お客さまにご納得をいただけるプランを提案することがきました。

後日お客さまから聞いたのですが、プレゼンテーションはもちろん、デザイナーとういうことで、服装のセンスや身なりも見ていたようで、最初お会いした時に、「あのデザイナーは0か100だよね」と思われていたそうです。すごい提案をするか、全然駄目かのどちらか(笑)その中で、ファーストインプレッションとしてお客さまに刺さるものを提案することができました。競合の住宅メーカーも多数ある中で最初の商談の段階から好感を持っていただきました。

信頼を獲得、無事契約

次の商談では、天井を高くしたいというご要望がでてきました。どうやら競合メーカーから吹き抜けのある高天井のリビングの提案があったようでした。お客さまは私の提案したプランを気に入っていましたので、そのプランを活かしながら、高い天井を取ることが課題でした。そこでミサワホームが得意の、スキップフロアを設けることで高い天井を実現できる空間の提案を行いました。お客さまは吹き抜け高をとることでプランが変わり、こだわりの外観ファサードができなくなるのを心配されていたようで、私としてはこだわりの外観を活かしながら吹き抜けの代わりとなる高天井を実現する提案ができたので、それが決めてとなりました。メイン通りからの外観デザインを意識したいとういことは、もちろんそのお客さまは表立って自慢される方ではないのですが、「ここがわが家なんだ」という誇りを潜在的に持っている方だと感じたんです。そこを尊重しながら自慢できるような家をつくっていきましょうということで私に任せてくださり、ご契約をいただくことができました。

実際競合メーカーとの金額の差はありましたが、それでも成約をいただけたのはお客さまの信頼を得ることができたからだと自負しています。

オンリーワンをつくる

契約後の提案も期待していただいていたと思います。もちろん自分の中でも期待に応えなければと思っていました。家の顔である玄関は大きな印象をもつ大切な空間です。玄関に入ったときに「この家すごい」と言われるようにしたいと考えました。そこで、玄関を入った正面に大きなタイルの壁面を設け、照明の光をいかに美しく壁にあてるかにこだわり、光を筋のようにすっと落ちるような空間提案しました。そのために、照明メーカーのショールームに暗室を作ってもらい、天井の高さや壁からどれくらい離れたらきれいに光が落ちていくのかシミュレーションをして設置する寸法を決めました。これはお客さまからの要望があったわけではなく、私のこだわりでもありますが、お客さまはそんな私のこだわりに信頼いただき任せていただいているのです。

ミサワホームはシンプルイズベスト。シンプルだからこそ一つのアクセント、お客さまのオンリーワンになるような美しい空間づくりになるアクセントを出そうと考えました。

お客さまは私のプロとしての提案を信頼して契約をいただいています。私としてはそのお客さまの信頼に応えてオンリーワンのものを作っていかなければいけません。『自慢できる家つくり。』が私の設計ポリシーですが、自慢できる家はまさしくオンリーワンになります。そんな空間作りをすることがプロとしての住まいづくりではないかと思います。

お客さまに学んだこと

家の中で人がくつろぐ空間はリビングだと思っていました。完成後のある日、お客さまの家にお邪魔した時に、住み心地を聞くと「リビングの空間が素敵で、ダイニングからリビングを眺めるのが好きなんです。」とおっしゃいました。それは私の意図したこととは異なりますが、新しい発見でした。空間の居心地の良さを思わぬ形で感じてもらっていたんですね。想定外ではあるんですけどもすごく嬉しくて、そういうものを教えてくれたお客さまに出会えたことも大変大きな感動がありました。

私の設計によって何か豊かさを感じてもらえるっていうことに嬉しさを感じます。
その出会いにはとても感謝をしています。
それは自分の設計人生の中でも大事なワンシーンというか、1つの成長になったターニングポイントになりましたね。

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