ログイン / 会員登録

▼リフォームをお考えの方

MISAWA HOME LOUNGE Reform

▼土地活用・賃貸経営をお考えの方

MISAWA HOME LOUNGE 土地活用・賃貸経営

トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 里山と都市の二地域居住12年目

interview

里山と都市の
二地域居住12年目

南房総リパブリック理事長
馬場未織さん

平日は東京で働き、週末は南房総で過ごす。
馬場さんは東京生まれ、東京育ちで、
週末田舎暮らしは、初めてのことだった。
そして、家族5人の二地域居住は12年目に。
馬場未織さんに、その軌跡について伺った。

  • 写真2

  • 子どもの強い思いを伸ばしてみたい
    二地域居住のきっかけは、子どもに田舎をつくってあげたいという思いでした。子どもは興味を持ったことに、ものすごくエネルギーを向けます。その好きなものに夢中になる純粋な姿には驚きました。長男は、生き物が大好き。図鑑だけじゃなく、本物を見せてあげたい、自由に触らせてあげたい。子どもの強い思いを伸ばしてみたいと、私たちの田舎探しが始まったのです。

    広さは8700坪。理想の土地と出合う
    3年ほど田舎探しを続けて、南房総でこの土地に出合うことができました。築100年以上の民家付きの8700坪。周りからは心配されましたが、私たちにとって8700坪という桁外れの広さは、とんでもない可能性があるように感じられました。
  • 写真3

  • 初めての田舎暮らしがスタート
    初めての田舎暮らしは、家の中が寒かったり、草の成長が早かったり、驚くようなサイズの虫が出てきたり、想像を越える出来事ばかり。ままならないことが当たり前。そのひとつである草刈りは、毎週末のお仕事。がんばって草刈りすることで、土地は美しくなります。その風景を励みに作業を進めていきます。ひたすら、それを繰り返していくのは、土を耕して生きるミミズと同じ。人間という偉い立場ではなく、生き物として大地に働きかける。自分が大地の営みの一部になったような充足感が得られます。

    悩まなくていいことには、悩まない
    雄大な自然に囲まれて過ごしていると、空高くから俯瞰して見ている感覚になります。都会で暮らしていると、必要のないことにまで気を回して心配して、疲れてしまっていると感じます。そんなとき、自分の紐づく場所が一つだけだと逃げ場がないので、気持ちがどこか不安定になってしまう。里山で自然に対峙していると、日常の雑事が些細に感じられます。いつの間にか、悩みを忘れてしまいます。

    大人にも子どもにも、自然の恵み
    子どもたちに自然を体験してほしいと始めた田舎暮らしでしたが、子どもたちと同じように私も、豊かな自然の魅力に惹き込まれていきました。なかでも四季を知らせる自然の実りを口にする喜びは、なによりの楽しみです。自分で見つけたフキノトウやタケノコを食べる。自分たちで育てた野菜を食べる。そんな体験を家族で分かち合うのは、かけがえのない時間です。
  • 写真4

  • 写真5

  • 子どもは、たくましく育っています
    必要なことは、なんでも自分でやるというのが、田舎の生活です。食べるものは畑で作ればいいし、山や川でも採ってこれます。家やトラクターなんかも、壊れたら自分たちで直してしまえる人たちを尊敬しています。田舎暮らしをしたことで、子どもたちは、その時々の状況に追い詰められないたくましさを身につけたと思います。自分の力でコントロールできないことは柔軟に受け入れるしかないし、何事もなんとかなると考えられる心のゆとりがあります。

    実体験を通して、生きていく
    それに、自分で獲ってきた魚を食べたり、イノシシを害獣として人間都合で殺したり、生き物の生死と間近に接してきたことで、生きることや命の大切さを体験的に知っています。そして「春になって梅の実がなったからジュースにしよう」と季節の移ろいを敏感に感じ取り、「寒い冬だったからホウレンソウの甘みが強いね」と収穫を楽しみ、感性豊かに育っています。
  • 写真6

  • 写真7

  • 南房総は、みんなで助け合う
    ここでは、自分のことだけを考えず、困っていたら集落のみんなで助け合います。誰も、そこに対価を求めません。人それぞれできることや得意なことで補い合う。いろいろな人がいていいという多様性。人も自然も、すべてを受け入れる心のゆとりがあります。

    第三の場所で元気になる
    南房総は都会とは違う価値観で日々が動いていきます。自分の紐づく場所が複数あることで、週末だけでもふだんと違うコミュニティや、全く別の世界に身を置いて過ごせる場所ができる。すると、気持ちにメリハリが効いて元気になります。

    12年の間に育まれた絆
    私たちの二地域居住生活も12年が過ぎましたが、同じ季節を12回経験しても、ひとつとして同じものはなく、里山に新しい季節がきたねとうれしくなります。子どもたちが大きくなり、ひとりで南房総に来る機会が増えてきました。しかし、集落や二地域居住・移住している友だちとの交流や活動が多くなってきましたし、醤油を手作りしたり、やりたいことが増えてきました。ますます、この暮らしが楽しくなっています。
  • 写真8

profile

小林幹也さん
馬場未織さん
1973年東京都生まれ。建築設計事務所勤務を経て建築ライター。2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践している。2011年には「南房総リパブリック」を設立、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務め、「里山学校」を開校したり、南房総エリアの空き公共施設活用、空き家活用などの事業を手掛ける。

関連サイト
南房総リパブリック

information

ミサワホームのZEHカタログセット
週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~
ライフスタイルの多様化に応じて高まる、田舎暮らしや二地域居住へのニーズ。東京生まれ、東京育ちの家族が「自然の中で子育てをしたい」という思いから南房総に土地を見つけ、都会と田舎の間で実現した豊かで新しい暮らしを綴ったエッセイ。2014年2月発行(ダイヤモンド社)