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トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 手仕事の器が私の暮らしを楽しくする

interview

手仕事の器が
私の暮らしを楽しくする

「工芸喜頓」店主
石原 文子さん

手仕事ならではのあたたかみを感じる
民芸の器は、どれもユーモラスで個性的。
手に取ると、土の質感やどっしりとした存在感がある。
日本とフランスを行き来して、選りすぐりの民芸の器を扱う
「工芸喜頓」店主・石原文子さんに、
手仕事の器が暮らしにもたらす豊かさを聞いた。

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  • 昔からプリミティブなものが好きでした
    幼い頃から土や木を素材にした自然の力を感じるものに、心を動かされていました。生地ならコットンや麻、器であれば磁器より焼物が好きで、国や地域を問わず、メキシコやペルー、アジア、ヨーロッパのものまで、旅行で出かけるたびに買い集めていました。

    パリの美術館で、日本の民芸に出合う
    民芸を知ったのは、フランス留学していたときです。パリの美術館で開催されていた民芸展のポスターを見て、心をつかまれました。当時は、土や木彫りの品を中心に西洋の器を集めていたのですが、その展覧会が民芸の素晴らしさに気づくきっかけになりました。その魅力に惹きこまれ、2011年にオンラインショップ、2013年に街の器屋としてお店を開くことにしました。

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  • 民芸とは、どう暮らすかを突きつめたもの
    民芸とは、どう暮らすかを突きつめて、暮らしぶりを映し出すものです。民芸に携わる職人さんからは、仕事への接し方や生きる姿勢を学ばせてもらっています。みなさんとても謙虚。「土に感謝し、自然に感謝し、買ってくれる人に感謝する」と言います。民芸の盛んな土地では、街並みもそうですが、食器棚に並ぶ生活の器など、質素な中に品格や穏やかさを感じます。そうした場所で生まれる器は、実用的でありながら、素朴なあたたかみがあふれる品ばかりです。

    毎日を楽しくする器
    私にとっての民芸の器は、使う人を楽しくさせてくれるもの。無駄がない完璧なものより、使う人の手に渡った時に楽しめる余白が感じられる品を選んでいます。たとえば練上げの器は色のついた土を重ねて焼いたもので、筆で描きつけたような柄が魅力です。この器は「ブリの照り焼きを盛り付けたら美味しくなりそう」と楽しい妄想をして選びました。
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  • 組み合わせて、私だけの世界
    民芸品は、土から生活の品を作るものですが、同様のスタイルでつくられるモノには、アフリカでもヨーロッパでも形の捉え方やデザインには相通ずるところがあります。お店にフランスの職人さんがつくる器を飾っていますが、一見すると気がつかない方が多いですね。私は、そういうモノを組み合わせるのが楽しみです。民芸に、日本の藍染や海外の布、ガラスのオブジェ、素材や文化の異なるモノを組み合わせて、暮らしを彩っていると、ワクワクしますね。

    家族も一緒に楽しんでいます
    家族が一緒に暮らすことは夫婦や親子の世界観が寄り添い、歩み寄ることです。自分一人の世界観にこだわらず、それぞれが組み合わさることで、新しい世界観や思いもかけない面白さが生まれます。娘は私が趣味で集めているブラジルやマリの木の民族楽器に恐竜のおもちゃを組み合わせていて、その場所はユーモラスな存在感が漂っています。機能的に整理するのではなく、生活を楽しくする。家事を考えると邪魔だけど、楽しいと感じられる世界があると、純粋にうれしくなります。

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  • 子どもの頃から手仕事の品に親しむ
    わが家の食器は子どもが使うものも焼物です。マグカップやおやつ皿など、子どもが手に取れる場所に置いていて、子どもたちが、その日の気分に応じて使いたい器を選びます。子どもは自分で選んだり考えたりすることで成長していると思います。土のあたたかみを感じる美しい器を使うことで、子どもの感性が育まれ、手仕事の魅力に気づくようになります。

    器にこだわって、子育てを楽しむ
    窯元の職人さんに、子どもには離乳食のうちから本物の器を使うように言われ、子ども用の器もお祝いにいただきました。そういう器を使っていると、食事を用意する私の気持ちが高まります。子育ても、日々の生活も、楽しいことや喜びばかりではありません。手間がかかったり、思い通りにならないこともあります。だからこそ、どうやって過ごすかが大切。たとえば、「人参のピューレには、この器かな」とちょっとしたこだわりを楽しむことで、家事が楽しくなると思います。

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  • お日様の下で朝食。自然なリズムで暮らす
    今の住まいは太陽の光がたくさん入り、窓の向こうに緑が見えます。わが家では朝陽を受けて目を覚まし、縁側を改造したダイニングでお日様の下、家族そろって民芸の器で食事をします。キッチンから遠いのですが、手間より心地よさを優先しています。自然を感じながら、自然のリズムで暮らすことで、心もからだも気持ちよく1日をスタートできます。
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profile

板原昌樹さん
石原 文子さん
毎日を楽しくしてくれる民芸の器を扱う「工芸喜頓(きいとん)」を夫婦で営む。お店には陶器、ガラス、木工など様々な工芸品が並ぶ。石原さんからそれぞれの品にまつわるストーリーを聞きながらの器選びが楽しい。フランスや日本各地の窯元から選りすぐりの器は、オンラインショップでも購入できる。

関連サイト
民芸の器 日々の暮らし