interview
ワインと一緒に
四季を楽しむ
わいんのある12ヶ月主宰
高橋 雅子さん
四季それぞれの料理を
ワインに合うようにアレンジすれば
そのマリアージュは味わい深いものになる。
そして人生を豊かにしてくれる。
そのヒントを「わいんのある12ヶ月」主宰の
高橋雅子さんが教えてくれた。
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- ワインの世界へようこそ
- 学生時代に友人のワイン会へ参加したことをきっかけに、すっかりワインの世界に惹かれてしまいました。「もっとよく知りたい」とワインスクールに入ったつもりが、実はソムリエ対策講座。なりゆきでソムリエ資格を取ることに。元々、料理好きだったこともあって、ワインに添える料理を考えるようになりました。日本は四季を楽しめる国。その組み合わせは広がっていきました。
気取らず、カジュアルに
ワインは、生きていくうえで絶対に必要なものではありません。しかし、食に取り入れると、日々の暮らしをぐんと豊かにしてくれます。それを伝えたいという思いから、「わいんのある12ヶ月」をスタートしました。レシピは旬の食材をたっぷり使い、思い立ったら家庭でパッと作れるもの。気取らずみんなで食べられる料理を考えて、より美味しくワインを味わっています。
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- 四季とともにワインを楽しむ
- ワインと旬の食材が並ぶと、食卓は華やかになります。食材がやわらかく、やさしい味わいの春にはロゼワインが合います。みずみずしく、力強い滋味があふれる夏野菜に合うのは、スパークリングワイン。温野菜やきのこを使った秋の料理には、ハーブが香る白ワインといったように、季節に合わせてワインを楽しんでほしいと思います。
冬には温かい鍋と一緒に
すき焼きや煮込み、フォンデュなど、温かい料理と一緒に赤ワインをいただくと、幸せな気分になります。ご紹介しているのは、割り下の甘味を抑えて、料理酒に赤ワインを使ったすき焼きです。ピノ・ノワールなどマイルドな赤を合わせると、そのふくよかな味がより楽しめます。
すき焼きは3分程度で完成
きのこを炒め、切った万能ネギを合わせ、火が通ったら赤ワインを使った割り下を加えます。お醤油と赤ワインは、相性もぴったり。最後にお肉を入れて火が通ったら、最後に黒こしょうをかけて、バターを落として完成です。締めはバケットを加えてから少し煮込んでパルミジャーノチーズをかけると、その一皿が赤ワインにぴったりです。
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- ひと手間のコツは、調味料
- ワインと料理の合わせ方は、色や香りなどがありますが、味付けが大切です。たとえば白身の淡泊なお刺身は醤油ではなく、塩とレモンでいただくと、白ワインにぴったりの一品に。ほんのひと手間でも、気軽なワインのおともが出来上がります。ひと手間のコツは、調味料。白ワインなら塩とバター、赤ワインなら黒こしょうが合わせやすいですね。
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- 最近のお気に入りは、オレンジワイン
- ものづくりの現場では、原点回帰がひとつのトレンドになっています。オレンジワインも、白ワインのブドウ品種を使い、赤ワインのように皮や種も一緒に醸すため、オレンジ色になります。渋みが旨味として残るので和食との相性がよく、日本人好みの仕上がりです。
「シンプルに好き」でいい
私のワイン選びは、とてもシンプル。好きか嫌いか、美味しいと思えるかどうかでいいと思っています。美味しいと思ったら、ラベルで名前や産地・品種をチェックしておいて、産地や品種の違うものも試してみる。そうやって少しずつ、自分なりの基準をアップデートしてゆけば、自分の好きなワインが見えてきます。
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- 日本のワインも人気上昇中
- ワインの産地はオセアニアやアフリカなど世界中に広がっていますが、もちろん日本のワインも人気上昇中。日本各地に少量生産のブティックワイナリーが誕生していて、創業から数年でファンが増えて入手困難になるワインも少なくありません。お気に入りのブティックワイナリーを見つけて、ずっとつきあっていく。そして、味わいの変化を楽しむのもいいですね。
暮らしを豊かにするヒント
ワークショップを開いているこのキッチンは、少しずつ手をかけたことで、見ているだけでも心が落ち着くお気に入りの場所になりました。食も住まいも、そうやって自分なりに育ててゆくことが、暮らしを豊かにすると思います。そのためのヒントのひとつとして、末永くワインとつきあってほしいですね。
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profile
- 高橋 雅子さん
- わいんのある12ヶ月主宰。日本ソムリエ協会ワインアドバイザー取得。1999年にパンとワインの教室 「わいんのある12ヶ月」をスタート。現在もワインと料理のマリアージュクラスを不定期で開催するほか、書籍の執筆や雑誌への寄稿など幅広く活躍している。
関連サイト
わいんのある12ヶ月