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トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 北欧の人たちは暮らし上手でした

interview

北欧の人たちは
暮らし上手でした

ライター
桒原さやかさん

ノルウェーの小さな街「トロムソ」は
11月終わりから2か月ほど太陽が昇らない。
自然が厳しいから、暮らしへの思いが強くなる。
約一年半、トロムソで過ごした桒原さんに
北欧の人たちの日々の楽しみ方を聞いた

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  • トロムソは、オーロラが見える街です
    3日ほど旅行したノルウェーのトロムソに惹かれて、夫婦で一年半ほど移住しました。そこは、北極圏に位置する小さな街で、お家からオーロラが見えるんです。それは普通のことで「オーロラが出た!」と言って喜ぶのは私たちだけで、街の人にとっては日常の出来事でした。

    2カ月ほど太陽が昇りません
    トロムソは、2カ月ほど太陽が昇りません。朝起きても真っ暗で、太陽が近づいてくると薄明るくなりますが、お昼過ぎには暗くなります。その極夜が、つらくて、つらくて、気持ちが沈みます。北欧は、自然が厳しい。でも、だからこそ、北欧の人たちは暮らしへの思いは強いんです。理想の暮らしに真剣に向き合っています。そんなところが、すべての根本にある気がします。
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  • モノを出さない主義
    北欧の友人の家に行って感じるのが、モノを出さないことです。友人のひとりは、キッチンに置いてあるスポンジや洗剤を、使った後に収納にしまっていました。「目に見えるのは大好きなモノだけにする」という考えが徹底しています。夫も出さない主義で、私も同じになりましたね。目に入る情報が少ないと、自分の気持ちが静かになる感じがします。

    家がやっぱりいちばん
    「出かけるのもいいけど、家がやっぱりいちばん」。北欧らしくて、好きなことわざです。北欧の人は、お家が大好き。「居心地よくしたい」という思いが本当に強くて‥‥。白がベースの空間に、黄色とか緑とか元気が出る色をプラスしていくのが上手で、センスがいいんです。特に、布使いが上手ですね。テーブルクロスやクッションを使って部屋の雰囲気を変えたりして、色を楽しんでいます。夏はさわやかなグリーンやブルー、冬にはオレンジと、季節ごとにカーテンを替えるというお宅もありましたね。
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  • 照明の使い方も印象的です
    北欧の家は、ひとつの照明を天井から吊るすのではなく、いくつもの小さな照明を、食卓の上、ソファの横、廊下、玄関、寝室と置いています。家じゅうが、やさしい灯りに囲まれて、あたたかい雰囲気が漂っています。スウェーデン人の夫の実家では、庭にランタンを灯していて家のなかから灯りを眺めていると特別な気持ちになりました。

    キャンドルは必需品です
    キャンドルは必需品で、特に冬は救世主です。暗いから、その灯りが際立ちます。北欧の家では、大小のキャンドルをソファテーブルに置いていることが多いですね。やわらかな灯は、縮こまった気持ちを、ふーっとほぐしてくれます。私もお世話になるようになりました。朝の時間や曇りの日には、ダイニングにキャンドルを灯しています。
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  • 家族で過ごす時間が大事
    「家がやっぱりいちばん」ということわざには「家族で過ごす時間がいちばん大事」という意味もあります。北欧の人たちは、仕事より家族です。ダイニングみたいな場所が、キッチンの横にもあるし、リビングにもあるし、外にもある。ご飯を食べ終えたら、場所を変えてお茶を飲んだりして、家族でのおしゃべりを楽しんでいます。

    ぜんぶを、がんばらなくていい
    北欧の人は、家事に対して合理的です。特別な日でない限り手間のかかる料理を作る人はいません。ノルウェーの国民食は、冷凍ピザと言われています(笑)。「キッチンでがんばるより、家族で話す時間が大切だよね」。そういう共通の意識があったりしますね。

    ひとりの時間も大切に
    1畳程度のひとり部屋を、よく見かけました。だいたい、一人かけのソファとコーヒーカップを置けるほどの小さなテーブル、ランプ、ラグが基本のセットです。私の夫も熱望していました(笑)。家族でぎゅっと集まる時間も、ひとりでリラックスする時間も大切にするのが北欧スタイルです。
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  • 日本に帰ってきて
    「トゥールテレング」と言って、近くに森や自然の中を歩ける場所がある家が、北欧では理想です。まさに松本(長野県松本市)が、そうだったんですね。毎日のように裏山を散歩したりしています。それに、ふらっと居酒屋に行ってお酒を飲む日も欲しいし、カフェに行くのも楽しみ。でも、そればっかりの日は疲れてしまいます。そのバランスが、ちょうどよいのが松本でした。

    自宅をセルフリノベ中です
    築40年の戸建てを購入して、セルフリノベしている途中です。北欧の人たちと同じように、自分たちで家を少しずつ作っていっています。白い壁と天井にして明るい雰囲気にして、扉は取り去って、すべてをオープンにしました。長女が家じゅうを、トコトコと走り回っていますね。まもなく、はじめての冬を迎えるのですが、大きな暖炉に期待大です(笑)。

    理想の暮らしを思い描いて
    トロムソに住んでから、「自分にとって、どんな家が居心地がいいのか?」、「どんな暮らしをしたいのか?」を、きちんとイメージすることが大事だと思いました。ステイホームの時間が多くなっていますが、自分の理想の暮らしを思い描いて、家族の時間もひとりの時間も楽しむのがいいと思います。暮らし上手の北欧の人のように‥‥。
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profile

いしい あやさん
桒原 さやかさん
大学卒業後、「イケア」に就職。夫となるスウェーデン人オリバー・ルンドクイストと出会う。転職し、ウェブメディア&ショップである「北欧、暮らしの道具店」の初期からのメンバーとして6年働き、夫と共に、ノルウェー・トロムソで1年半ほど暮らす。その後帰国し、現在は長野県松本市在住。フリーランスのライターとして活動している。

関連サイト
Instagram kuwabarasayaka

information

ちいさなみずたまり
北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし
スウェーデン人の夫と、北欧の人々から学んだおうち時間を楽しむ暮らしを綴った一冊。普通に日本で生きてきた30代の女性が北欧と出会って、気づいたこと、学んだこと。日常をより心地よく、日々をよりハッピーに過ごすためのヒントが満載です。2020年9月(ワニブックス)