ミサワホーム独自の木質パネルは、
強度にすぐれた住まいを実現します。
住宅の構造は、基礎や土台、柱、梁などで構成され、とくに壁や床などを面で構成する場合を「壁式構造」といいます。
ミサワホームは主に、壁パネル、小屋パネル、1階床パネル、2階床パネル、屋根パネルの5種類の木質パネルから構成される「壁式構造」の住まいです。 お客さまのご要望に対し、きめ細かく対応して設計できるよう、それぞれに異なるサイズや形状のバリエーションをご用意し、その総数は約12万種類にも及びます。また、ミサワホームのすべての木質パネルは、天候や作業者の技量に左右される可能性が高い現場施工ではなく、高品質で安定した性能を実現できる工場で邸ごとに生産。パネル芯材には、人工乾燥で含水率を15%以下とし、反り・ひび割れなどの発生を極力抑えた高品質な木材を使用しています。
また、パネルの生産は、枠組み、接着剤塗布、合板接着などの工程を経て、断熱材をすき間なく充填※2。内部は芯材によって格子状に仕切られており、この内部構造が強度だけでなく、耐久性や防耐火性、さらにはすぐれた断熱性を実現するポイントといえます。
ストレススキン効果とは、骨組みと面材を一体化させることにより、全体の強度を高めようとする効果のことです。両者をより強固に結合するほど、高いストレススキン効果が働きます。下のように、角材と合板が接着によりしっかりと接合された試験体の剛性は釘接合による剛性の約2倍。ミサワホームの木質パネルは、この高いストレススキン効果を活用した強固な壁体です。
下の4種類の耐力壁の強度を比較するため、それぞれの試験体に高速の横揺れ振動を加え、加振ごとにその力を徐々に大きくしながら繰り返すという、非常に過酷な条件による「動的水平加振実験」を行いました。結果は、「木造筋かい耐力壁」が33.4kNの荷重で接合部が破損し、続いて「面材釘打ち耐力壁」も、合板を留める釘が徐々に抜け、38.6kNの荷重で強度が低下しはじめました。「鉄骨ブレース耐力壁」は、100kNの荷重でブレースが大きく座屈し、115.9kNで断裂してしまいました。しかし、ミサワホームの「木質パネル耐力壁」は、150kNの荷重でようやく一部の合板が浮き始め、165.8kNの荷重まで壊れませんでした。この実験結果から、「木造筋かい耐力壁」や「面材釘打ち耐力壁」は、釘留め部分に疲労が蓄積しやすく、繰り返しの揺れに対し強度が徐々に低下することが分かりました。比較すると、ミサワホームの木質パネルは同じ木質系の2種の耐力壁より4~5倍強く、また「鉄骨ブレース耐力壁」と比べても、強いだけでなく変形量も約1/4程度。木質パネルの高い強度と変形しにくさによる、すぐれた性能が実証されました。
最大耐力115.9kN(11.8tf)
75kNの加振時にブレースのたわみを確認。100kNでブレースは大きく座屈し、125kNの加振で全箇所断裂しました。最大耐力38.6kN(3.9tf)
37.5kNの加振で合板が部分的に浮き始め、50kNの加振時に合板を留めている釘の多くが緩みました。最大耐力33.4kN(3.4tf)
25kNの加振で接合部から壊れ始め、37.5kN加振時には完全に壊れました。住まいへの荷重を壁などの面で支える構造のこと。柱などのフレームで支える「鉄骨ラーメン構造」などは架構式構造ともいう。
構造物が内・外部から受ける力のこと。
鉛直荷重および水平荷重に抵抗させる目的で作られる壁体。間仕切り壁と区別される。
※1 パネル用の高分子接着剤は青色ではなく、実際は乳白色です。
※2 使用部位や種類により、断熱材を充填していない木質パネルもあります。
※一部エリアでは、建物外部の合板の種類(模様)が実際とは異なります。
構造物・構造部材が変形に対して示す抵抗の度合い。荷重と変形の関係を示す曲線の傾きで表される。
個体または部材内の任意の面に作用して、その面側を逆方向にズレさせるように働く内力。
構造体が耐え得る力の最大値。その値を超えると構造体は破壊する。
1993年に施行された新計量法により統一された単位。一般に使われていたtf(トンフォース)はkN(キロニュートン)、kgfはNなどと表記する。
SI単位における力の単位。1N≒0.102kgf、また1kN≒0.102tf。
※3 グラフの終点は、各試験体の耐力壁の最大耐力時です。
※4 各試験体の加振は事前加振の状態(剛性)により次回加振目標変位を想定し実験しています。