

トップ - HomeClub特集 / 住まいのイメージをふくらませる - フィンランドに学ぶ住まいを大切にした心地よい暮らし
2025.09.30
──荒さんにとって、フィンランドはどんな国ですか?
荒 治安がよくて安心して暮らせ、自然がとても豊かな国です。日本と同じように美しい四季があります。人柄にも共通点を感じました。たとえば、親切だけれど他人との距離には節度感を持っていて、お互いのパーソナルスペースを尊重するところ。初対面だととってもシャイです。けれど、なぜかサウナでは距離がぐっと縮まって、みんなで思いっきり愉しみます。
── 2年間の暮らしで印象深かったエピソードを教えてください。
荒 友人の話で、子どもの誕生日に親が食器をプレゼントするのですが、コップやお皿など毎年違う食器を贈るんです。子どもが成人する頃には食器が一通りそろい、それを持って実家を出て独り立ちします。すごく素敵だと思いました。
── 環境先進国と実感することはありましたか。
荒 街にはセカンドハンドショップがたくさんあり、服でも家具でも、まずはそこに探しに行きますし、不要になったモノも捨てずに買い取ってもらいます。家も築50年、100年が当たり前で、自分で壁を塗り直すなどのメンテナンスをする方も多く、モノを永く大切に使う意識が、ふだんの暮らしからも伝わってきます。
── フィンランドの戸建住宅は、どんな家なのでしょうか。
荒 冬の気温は氷点下になることも少なくないけれど、室内は一年中20℃前後に保たれていて快適です。暖房も完備されていますが、断熱性も高いんでしょうね。家にこもりがちになる冬が長いせいか、おうち時間を愉しもうという意識も強く、インテリアに凝った家も多いです。柱や壁の傷を〝味〟とみなして愛着を持って暮らしているのは、木の住まいならではと思いました。友人を招くことも多く、窓の外には当たり前のように緑があり、誰もが自分の心地よい暮らし方を大切にしていることが伝わってきます。日本の生活でも参考にできることがたくさんある、本当に素敵な暮らしだと思いました。
日本と同じように、木造住宅が多いフィンランドの戸建事情。親から譲り受けた住まいをDIYでメンテナンスしながら永く使うというケースが多いそう。荒さんが訪れた住まいは暖炉のあるログハウス。冬でも温かく、1年を通して快適に過ごせる。
街には花屋さんがたくさんあり、友人宅を訪問する際の手土産もお花が定番。食器や家具などにこだわる人も多く、街にはカラフルなアイテムが並ぶ雑貨店があちこちに。コーヒーは、オシャレなカフェもあるけれど、家や会社で楽しむことが多い。
寒くて暗い冬が長いため、おうち時間を積極的に愉しんでいるフィンランドの人たち。インテリアにこだわる人が多く、多くの家にサウナが(DIYでつくる家庭も!)。友人を招くホームパーティも日常的。
荒 千裕さん
ミサワホーム株式会社 販売企画本部 ・営業企画部 ・宣伝 Web企画課。
2023年より約2年間、ミサワホームのフィンランド工場に駐在する旦那さんとともにフィンランドで暮らす。