徒歩5分の場所にある地元の病院からの要望
今回訪問したのは、飲食店経営などを手がけているオーナーさまによる医療従事者のための職員寮です。徒歩5分の場所にある病院から、昨年増床し職員も増えたため職員寮を建ててほしい、との要望がありました。
「30年前からこの病院の職員寮として別の土地で賃貸住宅を所有しています。1棟目が上手くいったことで2棟目を建て、2棟とも病院が借り上げ、管理の手間なく長期的に安定経営できていることから、駐車場だった土地を活用して3棟目を建てることにしました」。
病院とは30年に渡る長い信頼関係があり、医療という業種柄、地域で長く必要とされることから、この先も病院の職員寮を建てることで安定経営ができると考えました。
近年病院に限らず、人材確保の面から福利厚生を充実させるため、魅力的な社員寮を確保したいと考える企業が増えています。
病院からは、他の賃貸住宅よりも魅力的で長く住みたいと感じてもらえるように、さまざまなリクエストがありました。
邸宅のたたずまいを感じる上質なデザイン
「病院側から間取りや設備の希望をヒアリングしました。要望に応えるべく、ニーズの高い住環境を提供することに努めました」。
最大の魅力となっているのが分譲マンションのような高級感ある外観デザインです。従来の寮のイメージから脱し、早く家に帰りたくなるような上質な邸宅のたたずまいです。このデザインに着地するまで病院側から紹介されたデベロッパーをはじめ、6社比較検討されたそうです。
「自身でチェックリストを作り、各メーカーと打ち合わせをするたびに記入していました。価格、提案内容、プランの魅力度、担当者の対応など、それぞれの項目から吟味しました」。
この方法は、普段のお仕事で行う確認と同じだそうです。
「チェックリストから総合的に判断し、安心感の高いミサワホームを選びました」。
男女問わず好まれるちょうどいい設備や内装
間取りは病院側の希望を汲み取り、1Kが14戸。キッチンは2口IHで、トイレには手洗いを設けないなど、過不足のない設備でまとめています。
入居するのが男性中心か女性中心か分からない状況が続いたため、内装は万人受けする白と木目調の落ち着いた配色に。また女性の入居者も安心できるよう、オートロックを設置し、内階段にすることで防犯面に配慮しました。
社員寮といえば、入居者が比較的安価に住めるのが魅力ですが、だからといって価格をおさえて建てては通用しません。魅力的な住まいを提供することは、人材不足の今、企業にとって大きな付加価値となります。また長期間に渡り企業に借り上げてもらうことで、オーナーさまにとっても安定経営できるメリットに繋がります。万が一、企業との契約が切れても、魅力的な建物であれば、一般の賃貸住宅としても通用します。
人口減少が予想される今後、ニーズに即した活用が安定経営の鍵となるのではないでしょうか。