四国地方は開業医が多く、競合が盛んな地。そんな中で、しっかりと人目を引くのが野口眼科・内科・循環器内科。落ち着いた佇まいながら確かな存在感を漂わせる、まさに"品よく目立つ"という表現がぴったりの外観である。実はそう感じさせるには、"最も美しい比率"と呼ばれる"黄金比"を用いたデザインだからだ。黄金比は、芸術的にも最も安定した美感が得られるとされている。野口眼科・内科・循環器内科の外観も、縦横の比率や、出入り口の形、茶と白の外装の割合など、随所に"黄金比率"に基づいてデザインされている。
そこから美しさ、安定感、上品な印象につながっている。この外観からもうかがえるように、ミサワホームに依頼をしたのはデザイン力の高さが決め手だった。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
915m2 (276坪) | 延床面積 |
478m2 (144坪) | |
構造・規模 | 鉄骨造 2階建 | 開設 | 2012年 |
ご夫婦一緒に開業を決めた野口夫妻。ご主人の眼科はシックなグリーン系、奥様の内科は明るい赤系で色をまとめ、共有スペースはホテルのような上質な空間演出を行った。全体的に木の質感を活かした温かみのある雰囲気でまとめられている。
医院設計ではいかに患者さまにストレスを感じさせないかという配慮が重要であるが、デザイン面でストレスフリーを実現している。どうしても緊張を強いられるオペ室にあえてポップな壁紙を採用したのも、そうした考えの表れである。患者さまの目の触れるところには可愛らしいデザインを使い、患者さまの心を少しでも癒そうとしている。一方、患者さまの目に触れない空間は徹底的に機能性を追求。無駄を排した合理的なデザインとなった。