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トップ - THINK LIFE / 住まいの計画を立てる - 防犯力を高めて、安心できる日常を

interview

防犯力を高めて、
安心できる日常を

ミサワホーム総合研究所
建築・まちづくりデザイン研究室
澤 修平さん

最近、気になる侵入窃盗事件。
2023年には、一戸建て住宅では、
年間約1万3490件の事件発生。
一級建築士・防犯設備士の澤さんに
住まいの防犯対策について伺った

  • 刑法犯の認知件数は増加
    まずはじめに、窃盗や強盗、放火などを含めた刑法犯の認知件数※①ですが、2003年から2021年まで下がり続けていました。減少した理由としては、官民協力による防犯性能の高い建物部品の開発が進んだことや、自主的にまちの見回りを行う防犯ボランティアの方々が増えたことなどが考えられます。しかし、2022年に20年ぶりに増加に転じ、戦後最少となった2021年から2年連続で増加している状況です。
    ※①警察庁「令和5年の犯罪情勢」より

    複合的な要因が考えられます
    刑法犯の認知件数が増加に転じた理由としては、2021年ごろから新型コロナウイルスに伴う行動制限が徐々に緩和され、自宅を留守にする機会が増えたこと、SNSの普及やIT技術の進化などにより、容易に他者とつながる機会が増えたことなど‥‥複合的な要因があると思います。

    侵入窃盗の認知件数は、年間約1万3490件に
    そのような状況において、2023年の警察庁のデータ※②では、一戸建て住宅における空き巣や忍込み、居空きなどの侵入窃盗の認知件数は1万3490件でした。換算すると1日あたり約37件のペースで、日本のどこかの住宅が被害に遭っていることになります。一方で、一戸建て住宅における強盗の認知件数は98件と刑法犯全体の約0.1%でした。しかし、ひとたび発生すると人命や家財への被害は甚大です。罪種を問わず、しっかりと防犯を考えることが必要です。
    ※②警察庁「犯罪統計書・令和5年の犯罪」より
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    ※写真は左上/ガラスの間に特殊フィルムを挟んだ防犯ガラス 右上/テレビドアホン+宅配ボックス付きポスト、ビルトイン宅配ボックス 左下/防犯砂利 右下/タイマー付電動シャッター

  • 一戸建て住宅の3つのウィークポイント
    ミサワホーム総合研究所では、警察が関係している侵入窃盗被疑者の調査報告書※③や住居侵入窃盗の被害事例調査などに基づいて、住まいの防犯について研究してきました。一戸建て住宅には3つのウィークポイントがあります。①敷地の出入口、②人目につきづらい開口部、③出入口と開口部をつなぐ侵入経路です。
    ※③(財)社会安全研究財団「犯罪者の行動分析_総合防犯体系策定の為の基礎研究_侵入盗犯(一般住宅対象)版」より

    敷地の出入口
    侵入盗は基本的に住宅地を徘徊して、敷地や家の中の様子を窺います。その際、敷地の出入口の状況で「侵入しやすいか」を判断していることが多いです。一般的に空き巣(侵入盗)は塀をよじ登って敷地に侵入するイメージを持たれると思いますが、被害事例を見ると、通用口や玄関門扉、カーポートの隙間からすーっと自然に入ってきます。これは「人に見られる、怪しまれる、見咎められる」を嫌う侵入盗の行動心理に基づくもので、敷地に入り込もうとする姿が通行人や近隣の方から不自然に思われないように、このような行動をとると考えられます。

    人目につきづらい開口部
    被害に遭ってしまった住宅は、概して人目につきづらく、道路からも見えづらい家の裏手にある窓や勝手口から侵入されています。特に庭の植栽が生い茂っており、お隣さんからも見えづらいとなると、より狙われやすい環境になります。他方で、道路に面する窓であっても高い塀で囲われている場合には、塀の裏に潜みやすく、周囲の視線を気にすることなく犯行がしやすいと言えるでしょう。

    出入口と開口部をつなぐ侵入経路
    侵入盗は敷地内に入ると、人目を避けてカーポートや庭などを移動し、家の中へ侵入しやすい開口部を探していきます。その探していく経路が、侵入経路です。カーポートと庭の境界や家の脇にある通路の入口などにフェンスや門扉がないと、簡単に家の裏手へと回り込まれてしまいます。
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  • 具体的な防犯対策について
    被害事例をもとに、防犯対策を考えてみましょう。下記の住宅が狙われた理由として、敷地の出入口に侵入を阻む設備が何もなく、簡単に敷地内に立ち入ることができる点がまず挙げられます。そのうえ、玄関ドアの横にインターホンがあるため、来訪者を装って自然と怪しまれず玄関先までたどり着くことができます。さらに、生い茂っているお隣さんの庭木やカーポートの屋根、物置などによって、家の裏手が人目につきづらいことも理由として考えられます。

    まずは敷地境界でガードする
    敷地の出入口に門扉やフェンスを設けて、敷地境界をはっきりさせる。インターホンは機能門柱を設置する、または塀に取り付けるなど道路側に設けることで、簡単に敷地に立ち入らせないことが重要です。人感センサー付きのライトやカメラの設置も有効です。

    ライトは目的を考えて設置を
    特にライトの場合、目的を考えながら設置することが大事です。たとえば玄関付近など敷地の出入口付近に設置する場合には、侵入者への警告と近隣の方に侵入行為を気づかせる目的で道路側に向けて設置する。一方、カーポートや庭などに設置する場合には、通行人から侵入者の様子が見えるよう(逆光にならないよう)敷地の奥に向けて設置することが望ましいでしょう。

    侵入経路や開口部の防犯強化
    庭の植栽が生い茂っていると、庭にいる人の気配をお隣さんが気づきづらくなるため、大人の目線の高さにある植栽を剪定し、見通しを確保しておくことが大切になります。カーポートと庭の境界、家の脇にある通路の入口などは、見通しの良いフェンスや施錠付きの門扉を設ける。通路には侵入者への威嚇や周囲へ人の気配を知らせる目的で、歩くと音が出やすい防犯砂利を敷くのもお勧め。さらに窓を防犯ガラスや面格子仕様に変更しておき、家の中への侵入に時間をかけさせることも重要です。侵入に5分以上かかると、侵入窃盗被疑者の7割近くが諦めるというデータ※④があります。
    ※④(財)都市防犯研究センター「JUSRIレポート別冊No.17_防犯環境ハンドブック」より

    生活感を出さないことも大切です
    侵入盗に狙われないように、郵便物などを放置しておかない、洗濯物を干しっぱなしにしないなど、道路から「この家は留守だ」と悟られないように意識しておくと良いですね。スマートフォンで遠隔操作できる照明機器またはタイマー式スイッチなどで、夕方に道路から見える部屋だけでも照明をオンにし、在宅を装うこともお勧めです。
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    防犯対策のイラストは建物まわりのみ(敷地境界でガード)、他の対策は「ミサワホーム総合研究所の総合防犯講座」にて解説しています

  • 3段階のセキュリティを基本に
    安心な暮らしが続くことは、ご家族にとって、とても重要です。ミサワホームの住まいでは「狙われにくい」「侵入しにくい」「被害が出にくい」という3段階のセキュリティを基本として、さまざまな防犯設備・部品を組み合わせて、防犯対策を実施しています。

    「LinkGates」の安全サービス
    最近では、IoTを活用した防犯サービスが登場しています。ミサワホームが開発した「LinkGates(リンクゲイツ)」も、そのひとつです。LinkGatesは、外出先から玄関ドア(電気錠)の施解錠や照明機器のオンオフを操作できたり、外出中に玄関ドアや窓が開くとスマートフォンに通知する機能を備えています。なお、2023年における一戸建て住宅の侵入手口は約半数(46%)が無施錠でした※②。LinkGatesは、お出かけの際に簡単にドアや窓の戸締りも確かめられるため、鍵の閉め忘れ防止、無施錠対策としても大変役立ちます。
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    ※ミサワホームの「LinkGates」

  • ご家族で防犯意識を高めていく
    お子さまと一緒に防犯を考える機会を設けていただきたいですね。お子さまがひとりで留守番中に宅配業者が来た際は「親が今、手が離せないので宅配ボックスに入れてください」と伝える。お子さまがひとりで帰宅した際は、玄関先で家に向かって「ただいま」を言うなど、親の不在を悟られないようにする。お子さまの成長に応じてですが、そのような何気ない防犯対策を習慣化することが大切ですね。

    お隣さんとの関係も大切に
    日ごろからお隣さんとは良好な関係を築き、いざとなればお子さまが助けを呼べる、逃げ込めるような関係にしておきたいですね。ご自宅だけでなく近隣の方も防犯意識が高くなると、侵入盗は「やりにくい」と感じ、その「住宅街路」、さらにその「まち」を避けるようになります。侵入窃盗被疑者の調査報告書※⑤では、住民や通行人の目が気になったり、声をかけられたりしたことで犯行を諦めた事例は多くあります。ぜひ、ご家族で、まちで防犯力を高めて、安心できる日常をお楽しみください。
    ※⑤警察庁「犯罪情勢分析手法の高度化に向けた調査研究報告書」より

    撮影: ミサワホーム「CENTURY Primore」新川崎展示場(神奈川県川崎市)
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澤 修平さん写真
澤 修平さん
2013年に「シンプル・イズ・ベスト」の住宅思想に惹かれて、ミサワホームに入社。住宅設計や営業に従事し、2016年にミサワホーム総合研究所に異動。住まいの防犯に関する研究開発に取り組む。その後、ウーブン・バイ・トヨタに出向。Woven Cityのパブリックスペースデザインやセキュリティ計画等の企画設計に携わる。現在は、ミサワホーム総合研究所 フューチャーデザインセンター 建築・まちづくりデザイン研究室 室長代理。一級建築士と防犯設備士の資格を持ち、社内外への防犯セミナーなどで講師を務める。

関連サイト
ミサワホームは3段階のセキュリティ