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Session

これからの住宅のトレンドを探る

#スマートハウス・ZEH#デザイナーズ住宅#住宅のトレンド#収納#在宅ワーク#地震に強い家#家事が楽#暮らしや趣味を楽しむ#防犯住宅

ミサワホームのデザイナー4名に集まっていただき、
お客さまと一緒に住まいをつくり上げる現場で感じた住宅の「トレンド」について語り合っていただいた。

 
   


川喜多和也デザイン「MELLOWNESS TIME」

安全・安心は変わらぬ大前提さらなる強さを求める声も

―― 本日は、実際にお客さまの邸宅を設計しているデザイナーのみなさんに集まっていただきました。みなさんが現場で感じた「多くのお客さまが何を求め」、「どんなことを大切にしているか」は、いわば住まいづくりの「トレンド」と言い換えることができると思います。昨年1年間で感じたことを語り合っていただけますか。

川喜田 近年は大きな地震が頻発していますから、耐震性についての関心は一段と高まっています。ですが、ミサワホームで住まいを建てようと決めてくださったお客さまは、ミサワホームは地震に強い家という大前提でいらっしゃる方が多く、不安を抱えているというよりも、どこまでのことができるかという「余力」について関心をお持ちになっている印象です。

吉田 最近は、制震技術の内容など、より具体的なご質問をいただくことが多いですね。制震装置「MGEO(エムジオ※)」の搭載率も高まっていますし。

小抜 大地震でも「倒れない」のはもちろん、「揺れない」家。そんなふうに、求めるレベルが高くなっていることを強く感じます。

―― 災害発生後の在宅避難までを視野に入れて、住まいの強さを考えている方も増えているそうですね。

廣瀬 在宅避難の際にもエネルギーを自給できる太陽光発電システムは、今ではほとんどの方が搭載を前提に住まいづくりをお考えになっています。


※MGEO(エムジオ)の詳細はこちら→

吉田猛史デザイン「 見晴らしの家」

吉田猛史デザイン「見晴らしの家」

吉田 大容量の太陽光パネルを載せたいけれど、住まいのデザイン性は犠牲にしたくない、そんなお客さまも増えています。私がいる東北地方は、冬になると雪が積もって発電できない日もあります。だからこそ、美しさをしっかり両立させるなど、付加価値を一層大切にしたデザインにしなければいけないと考えています。

川喜田 付加価値を大切にしたいというのは、本当に同感です。私は一つの価値のためだけのデザインを「ワンアクションの設計」と呼んでいて、物足りなさを感じてしまいます。たとえば窓の大きさ。小さくすれば断熱性能が上がって光熱費を削減できます。けれど、断熱性能という価値だけで大きさを決めていいのか。他の窓との大きさやバランス、そのメリハリが生み出す建物全体の美しさを考慮したり、その窓を設ける空間でのご家族の過ごし方を考えて、そこで最適となる窓から採り込む光のボリュームも検討してデザインすれば、一つの窓の大きさがいくつもの価値を提供できるものになります。

―― 一つのディテールにいくつもの価値が宿るデザインは、同じ大きさの家でも豊かさがずいぶん違ってきそうですね。

廣瀬 安全・安心の話でいうと、防犯に対する意識も高まっていますね。そこでもデザイン性を大切にしたいという声をいただきます。防犯性の高い外構というと、高い塀に囲まれた家を想像する方が少なくないと思いますが、侵入盗がいったん敷地に入ってしまうと、姿が外部から見えなくなってしまい、むしろ犯行が容易になります。そうならないよう、プライバシーは確保しながら、完全な死角をつくらず、そのうえで建物の外観の美しさも両立させたデザインの提案につとめています。

暮らし方と意識の変化が住まいのあり方にも影響を

―― コロナ禍を機に暮らし方が変化した人が多いと思いますが、住まいづくりの現場でもそれは感じますか?

小抜 住まい方や働き方も含めて多様化していると強く感じます。一人ひとりが異なる過ごし方を楽しみ、お互いが尊重し合うというご家族が増えています。ワークスペースやヌックなどが増えていることからも、それを感じます。

廣瀬陽平デザイン「 静穏な光宿る家」

廣瀬陽平デザイン「 静穏な光宿る家」

川喜田 プランの打ち合わせをしているときも、家族同士がお互いの存在をとても大切にしていることが強く伝わってきます。特に若いご家族。お互いの気配をいつでも感じていたいという強い想いがある一方で、みんなが自分の時間を大切にできる居場所も必要と考えていて、そんな過ごし方のできる空間が欲しいというご希望をお持ちです。

廣瀬 リビングのような大空間以外にも、自分時間を過ごせる場所が欲しいという方も増えましたよね。なかでもアウトドア空間を楽しみたいというご希望は多くなりました。従来のような、眺めるだけの庭ではなく、食事や読書、ときには在宅ワークの場にもなるというアウトドア空間ですね。

小抜 フィットネスができる場所など、趣味を楽しめる空間が欲しいという声も多くなりました。他にも楽器を演奏できる部屋とか。楽しみ方も多様化していて、個室のワークスペースで趣味も楽しんだり、リビングの一角を利用して楽しんだり、リビングをまるごと趣味が楽しめる場所にしたい方など、今まで以上にさまざまな趣味の空間をデザインすることが増えました。

吉田 東北地方では、「飲み部屋」をご希望される方が多いです。小上がりや掘りごたつがあって、お客さまを招いて一緒にお酒を楽しめる部屋です。

川喜田 美味しい日本酒が多い東北地方ならではですね。こうした地域による住まいの違いって、意外とありそうですね。北海道では「コレモ」というガス発電機が大人気です。発電した際に発生した熱で暖房用の温水を温め、光熱費を削減するというシステムです。暖房期間が長い北海道だからこそメリットがある機器です。

小抜靖明デザイン「 ~natural & modern~」

小抜靖明デザイン「 ~natural & modern~」

家族の時間を増やすための家事効率アップの工夫

小抜 最近は食事の時間を家族がつながるための大切な機会とお考えの方が増えています。みんなが一緒に料理や片づけができるキッチン・ダイニングのレイアウトの工夫も必要ですね。

川喜田 料理や洗濯などの効率をアップできる家事動線のご提案も、今まで以上に喜んでいただけるようになりました。

小抜 家族一緒の時間を大切にしたいけれど、共働きでなかなか時間が取れない。そういうご家族さまには、家事効率をアップさせる動線が、結果的に家族時間を増やすことにも貢献しますからね。

吉田 脱衣室と洗面所が分離したプランも、今や常識となりつつありますよね。誰かが入浴中でも洗面所が使えるプランは、プライバシーを尊重でき、家事時間の短縮にも貢献します。

廣瀬 ガス乾燥機を使いたいという方もすごく増えていて、乾燥機が使いやすくキレイに収まる収納や、そこからの最短動線で、乾いた洗濯物をすぐにしまえるファミリークロゼットを設けたプランなどもご満足いただいていますね。

トレンドを大事にしながらも時代に左右されない豊かさを

吉田 SNSなどで情報をたくさん手に入れられることもあり、トレンドの変化が今まで以上に速くなっていることも感じます。

川喜田 中にはぱっと見たインパクトの強さに惹かれて、このインテリアにしたいとお考えになるお客さまもいらっしゃいます。けれど住まいは永い年月にわたって使うものです。流行だからという理由だけで選ぶと、すぐに飽きてしまうこともありますし、正直にそうアドバイスさせていただく場合もあります。けれど、価値観が多様化した今の時代は、他人からは一時の流行に見える尖ったデザインでも、その人にとっては本当に永く愛せるものである場合があります。実は私はそうしたデザインにこそ強いやりがいを感じるタイプ。そのため、お客さまがこのインテリアのどこに惹かれているのか、その本質を見極めるためのヒアリングが、今まで以上に重要だと感じています。

廣瀬 本当に重要ですよね。求められることに応えるという「お客さまファースト」が大前提ですが、ライフスタイルが多様化し、技術が革新的に進歩している今だからこそ、いつの時代でも変わらない心の豊かさにつながる住まいが必要ではないでしょうか。たとえば四季や自然のうつろいによる美しさ、住まう方の原風景や価値観、その人本来の感覚に寄り添った住空間の設計が大切だと考えます。

―― お客さまにどこまで寄り添えるか。デザイナーにとって、その姿勢がこれまで以上に大切な時代ですね。本日はありがとうございました。