interview
観葉植物をインテリアに
成長を見守る楽しさ
プランツプロデューサー
小山伸一さん
観葉植物をひとつ置くだけで
心地よさが増していく。
その成長や芽吹きなどを感じて
日々の楽しさが増えていく。
そんな暮らしをプロデュースしている
小山伸一さんに、その楽しみ方を伺った。
-
-
- 住まいの中に観葉植物を
- 最近では、インテリアショップや雑貨店でも、インテリアのひとつとして観葉植物を扱っています。以前に比べて、観葉植物の種類も増えて、インテリアとしてのグリーンが身近になっています。住まいの中に植物を置くだけで、暮らしに緑が映えていいですし、やさしい気持ちになれます。
気軽にグリーンライフを楽しむ人たち
植物を飾る器やポットも、センスのいいものが簡単に手に入ります。また、コップやボウルなどを器にしてみたり、見せ方のバリエーションも豊富になりました。インテリアを楽しむように、空間デザインに合わせて観葉植物をコーディネートして、グリーンライフを楽しむ人が増えています。
-
-
-
- 観葉植物を育ててみよう
- 興味がある方は、ひとつ育ててみるのがいいですね。葉っぱの芽吹きはかわいいですし、その成長を見守る楽しさがあります。住まいの一角に緑があると、心地よさや安らぎを感じます。ひとりでいるときでも、寂しさが和らぎます。
人にとっての気持ちのいいことを
植物は生き物です。人にとって気持ちのいい環境を、植物にも整えてあげることが大切です。真夏の日光は暑すぎるので、陽があたる時間が少ない場所に置く。夜に水をあげるのではなく、朝にあげると成長にいい。室内が乾燥していたら、霧吹きで濡らしてあげる。しっかりと愛情を注いであげれば、植物もそれに応えてくれます。
自分らしい形に
お店で美しい形をしているものを、家庭でもその姿形を維持するのは難しい。お店では、最適な環境でお世話をしているからです。なので、私が勧めるのは、生命力を感じる観葉植物です。枝振りが傾いていたり、倒れて起き上がっているような独特な姿に力強さを感じます。こういうタイプは、育て上げるうちにどんどんよくなっていきます。そして、銅線や紐を張って形を整えたりして、自分らしい観葉植物に育てていくと楽しいですね。
-
-
- インテリアに合わせてグリーンを
- 白くて明るい部屋には、シーグレープやフィカス・ウンベラータなど葉の色が明るく、形の丸い植物がお勧めです。白をバックに、陽射しで葉が透けて見えるときれいです。逆に色が濃い部屋には、光が弱くても育つ植物を選ぶとよいでしょう。フィカス・アルティシマやフィカス・バーテリーなど幹が太く、葉の色が濃くて形の鋭利な植物。キッチンのカウンターのような硬質な素材には、ドラゴンフルーツ(ピタヤ)など温かみのある多肉植物が似合います。
高天井であれば、背の高い木を
高天井の住まいも増えてきました。その高さを活かして、高い木を育てるのもいいですね。ミサワホームのたまプラーザ展示場では、リビングの中心にジャボチカバを置きました。ブラジル原産の常緑の植物で、どこから見ても枝振りが美しく、木肌が滑らか。幹に花が咲き、ブドウのような甘酸っぱい実が生ります。お世話の手間も含めて、家族のつながりを深める木になってほしいという想いを込めました。
-
-
- 子どもに植物を育てる楽しみを
- 子どもの感性というのは、とても繊細です。庭の剪定をしているときに「どうして切っちゃうの?葉っぱちゃんがかわいそう」と、怒られたことがあります。そんなときは、「葉っぱの散髪中だよ」と説明しました。そして、新しい芽吹きの話をしました。子どもには幼い頃から、新芽のかわいらしさや、花や実をつけていく様子を目にしてほしいですね。
子どもと同じ目線で植物を眺めてみる
大人にとって目に映る観葉植物の姿は、正面や上からです。けれど、子どもの視線は大人より低い位置にあります。同じものを見ているつもりでも、彼らには見える世界が違います。植物を育てることを通じて、子どもと視線を揃えてみることは、大人にとっても新しい発見があります。
まずはひとつ、子どもに世話をさせてみよう
子どもと一緒に育ててみるなら、フィカス・レリギオサなどはどうでしょう。インドボダイジュという呼び名もあるイチジクの仲間です。おたまじゃくしの尻尾のようなかわいらしい葉をつけます。お釈迦様がこの木の下で悟りを開いたと言われる木で、そういったエピソードも、子どもがいろいろな世界に興味を持つきっかけになっていくと思います。
撮影:ミサワホーム ミサワパーク東京
-
profile
- 小山伸一さん
- プランツプロデューサー、Heartland代表取締役。23歳で園芸の世界に入り、独自の空間スタイリングを磨く。31歳で独立、Heartlandを立ち上げる。ミサワホームのモデルハウスや個人邸の庭などのインテリアグリーンのデザイン・設計、手入れを手掛ける。社名のHeartlandは、自然の恵みを大切にし、緑を増やすことで理想の地球に近づけたいという想いから名付けた。