熊本県 Tさま邸
ごくシンプルな外観ながら、ディテールに目をやると、なにやら独自のこだわりを感じさせるのがTさま邸である。
塗りムラを活かした外壁、玄関へ続く階段脇のサインボード、芝生の向こうに見える小さな白い塀や扉。屋外だけでも、あちこちにそのこだわりを見つけることができる。もちろん、屋内にもそうした楽しいディテールがいっぱいだ。
1階はキッチン、ダイニング、リビングが連続する広い空間。でもどこかが違うと目を凝らすと、なるほど屋内の壁も塗り壁風クロスが張られ、床もまた木目風クロスで覆われている。柱や梁にも木の風合いを取り入れ、空間をあたたかいものにしている。
デザインプランを牽引したのは奥さま。最初のイメージはアメリカのTVドラマ「大草原の小さな家」だったという。塗り壁や木の風合いにこだわるのは、そうしたカントリー調のナチュラルな味わいが好きだから。そしてもうひとつ「お気に入りに囲まれて暮らしたい」というのが願いだった。
とはいえ、必ずしも「お気に入り」が簡単に手に入るわけではない。そこで、得意の手づくりインテリアが活躍する。たとえば、キッチンとダイニングを仕切る壁の可愛らしい棚やCDを置く棚、パソコンデスクなど、数えるときりがない。ここまでくると、手づくりは立派な趣味のひとつだ。もちろん、外のサインボードなども奥さまの作品。ちなみにパソコンデスクはご主人との合作だ。
Tさま邸は、そうした手づくりインテリアが壁や床と調和して、ここだけのチャーミングな空間になっているのが特徴だろう。
絵を描いたり、雑誌を見せたり、あの手この手でこだわりを提示し、そのたびに根気よくプランを練り直す。そんなコラボレーションが容易に想像できる家づくり。Tさまのこだわりを実現するにふさわしい職人も家づくりに参加してもらったという。
妥協せずに、とことん自分流を貫いたことがTさま邸のポイントだ。お気に入りの中で過ごす、家族とのあたたかい時間。そんな素敵な時間が見えるような空間に、またひとつ異なる趣味の家を見たようである。
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