人口約2万1000人、高齢化が進む北海道の地方都市に「紫苑舘」はオープンしました。開設したのは地域に根付いた医療の提供を目指し、クリニックを併設開業した医療機関。特定施設入居者生活介護の指定を受ける事もできました。
高齢者医療を手がけてきたなか、多くの患者が住み慣れた地域で、最期を迎えたいという希望がありながら、実際は遠方の子供と同居するか、老人ホームに入居するのが関の山でした。また、患者の状況も生活面を含めて看ないと把握ができない事も痛感。
そんな時にタイミングよく「サ高住」が制度化され、いち早く事業に取り組んでいたミサワホームを見学した事が事業開始のきっかけとなりました。
建物を見学し、ミサワホームの"想い"に共感するとともに、北海道で数多くの実績があるミサワホームをパートナーとして選択しました。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
2592m2 (784坪) | 延床面積 |
2601m2 (786坪) | |
構造・規模 | RC造 4階建 | 開設 | 2013年 |
建物でこだわったのが"楽しい"空間。地域に開いたレストランは入居者の友人が集い、地域との交流も自然と生まれる空間となりました。他にも映画鑑賞ができるホール、ゆったり入れる大浴場、夏は屋外でジンギスカンパーティー、中には麻雀を楽しむ人もいるだろう、といった具合にコンセプトを決定。単なる高齢者住宅ではなく、新しいかたちの"老人クラブ"を目指しています。
紫苑舘は全30戸と、特定施設としてはそれ程大きくないことから、入居者は食事や介護など、なじみのスタッフから受ける事ができます。
そして、最終的な目的でもある「看取り」。自宅で看取ることの難しさを実感し、自院の患者をできる限り看取りたいという考えに加え、楽しい暮らしを提供していく理念に多くの方が共感し、開業前には予約で満室という人気の住宅になりました。