慢性期病院でありながら、地域での中核を担うべく二次救急医療機関の指定を受け、医療の提供をしている医療機関様が、病院隣接地に高齢者住宅を開設しました。時代は地域包括ケアへの転換期を迎え、病床から在宅復帰するには、医療対応可能な受皿が必須であり、今後慢性期病院でも在宅復帰機能強化が求められることから開設を決意しました。
慢性期病院として、介護のない医療はなく、医療のない介護もありえない状況のなか、28床あった一般病床をいち早く地域包括ケア病棟に転換。病床代わりとしても機能する高齢者住宅と合わせて、地域包括ケアの根幹をなす取組となりました。実際に急性期からの受入要請も増加。重度対応が前提なだけに、病院隣接であること、看護師が24時間・365日常駐をしていることは、重要なポイントでした。その結果、慢性疾患で安定している入居者でも、急性増悪時に迅速な対応が可能で、入院での集中治療とリハビリを受けて居室に復帰する仕組も出来上がりました。一方で予想以上の効果を得られたのが、計画を機に移転した通所リハビリです。入居者の利用が増加し、相乗効果で収入増に結びつきました。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
1327m2 (401坪) | 延床面積 |
1813m2 (548坪) | |
構造・規模 | 鉄骨造 3階建 | 開設 | 2013年 |