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トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 親子で一緒に、新しい折り紙世界へ

interview

親子で一緒に、
新しい折り紙世界へ

折り紙作家
長山 海澄さん

子ども向けにも大人向けにも、
数多くの折り紙本が登場。
新しい折り紙世界が広がっている。
長山さんに、その世界の一部を
作品紹介とともに教えてもらおう

  • 小学生のころから折り紙好き
    子どものころから迷路や図形パズル、多面体が好きでした。それを知っていた母親が、小学5年生のときに多面体折り紙の本を買ってきてくれたんです。その本をきっかけに折り紙世界の深みにはまりました。誰も見たことのない多面体を生み出したい‥‥新しいモノを作ることにワクワクする想いが強かったですね。その後に、一枚折りの世界を知って、動物を作ったりして、作ることの世界が広がっていきました。

    東京大学の折り紙サークルへ
    中学2年生だったと思うんですけど、「東京大学に折り紙サークルがあるらしい」と聞いて、学園祭に行きました。そこで、複雑な形の作品に衝撃を受けて、東京大学を目指しました。その折り紙サークルに入りたいから、東京大学を目指すという人は他にもいましたね。東京大学では2008年に折り紙サークルが生まれましたが、今では多くの大学で折り紙サークルが活動しています。
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  • 新しい折り紙世界へ
    折り紙の魅力は、そこに紙さえあれば楽しめる。準備はいらないんです。気軽なんですけど、思考しながら、手を動かしていくことが楽しいですね。一枚折りもありますし、複数の紙を組むこともあります‥‥丸い形の折り紙もありますね。昔ながらの伝承折り紙だけでなく、近年は創作折り紙も盛んです。単純なモノから複雑なモノまで、新しい折り紙世界が広がっています。

    一枚折りのカメレオン
    このカメレオンは、一枚折りで創作しました。昔に考えた螺旋のオブジェという作品をアレンジしようとしていたら偶然にカメレオンの頭のような形ができて、頭と胴体の大きさのバランスや紙などを試行錯誤して完成しました。折り紙用紙では厚すぎるので、極薄のラッピングペーパーの緑と黄色を貼り合わせました。目のところに紙の裏面が出るように設計しています。折り図だと150工程ぐらいです。時々、僕の教室にカメレオンに挑戦したいという方が来てくれますね。

    複数の紙を折る表と裏
    これは表と裏と名づけました。125の同じパーツから成り立っているんです。尖っている部分と丸っこい部分は、とんがりが外に向くか、内に向くかの違いです。クラインの壺のように、すべてがつながっていて、ひとつの立体になっています。どちらも表で、どちらも裏という立体です。実際に手にとって見ていただかないと、理解しづらいですよね(笑)。
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  • 世界に広がる折り紙文化
    日本の折り紙文化は古くて「室町時代の儀礼折り紙から始まっている」と言われています。モノを包んで、人に渡すときにその包み紙を美しく折る‥‥熨斗包みなどの折り方はその影響です。そして江戸時代に紙を大量に作ることができて、遊びとしての文化が発達しました。今では世界中にたくさんの折り紙作家や愛好家がいて、海外との交流が盛んに行われています。

    幼児教育に採り入れられています
    明治時代には折り紙は幼児教育に採り入れられました。折り紙で遊ぶことで、集中力、思考力、空間把握力、数学力の向上につながると考えられています。折り図には「ふたつの点を合わせて折る」という指示があるんですけど、僕の場合は「他の点と合わせると、どうなるんだろう」と、常にいろんな可能性を考えてしまいます。手先は器用になりましたが、まだまだ上の人はいますね(笑)。

    折り紙工学という言葉もあります
    折り紙の技術は、いろんな分野で応用されていて、折り紙工学という言葉があります。人工衛星に搭載する太陽光パネルは、折り紙の折りたたみ方を使っています。コンパクトにたためて、少しの力で展開します。他にもクルマのエアバッグのたたみ方や心臓カテーテル手術のステントにも、折り紙の技術が応用されています。
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    長山さんが組み立てているのは「12本の六角柱の集合体」

  • 親子でチャレンジしてみよう
    暑くて自宅で過ごしたい日には、親子で折り紙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。親世代で作らなかった作品がたくさん登場していますから、楽しいと思います。初夏の季節だと、たとえばカエルさん‥‥伝承折り紙のかぶとの応用で作ることができます。カブトのツノになる部分を目にしています。目が少し歪んでしまっても、それが個性になりますね。そして、口の形を変えることで表情を出すと、カエルさんたちが活き活きとしてきます。

    完成した折り紙はインテリアに
    できあがった作品は、家族が集まるリビングやダイニングの壁に貼ると、暮らしに彩りが加わります。季節ごとに、変えていくのもおすすめです。子どもにとっても、うれしいし、誇らしいと思います。そんなふうに親子で一緒に楽しんでもらえたらいいですね。

    友だち関係の時間を
    折り紙を前にしたら、大人と子どもの垣根は無くなります。親が教えることもありますけど、子どもが教えることもあります。僕の教室でも、よくあるシーンです。折り紙を楽しむときは、人間関係はフラットに横のつながりになりますし、友だち関係のようなコミュニケーションが生まれます。そういう時間は、親子にとって大切だと思います。

    撮影:「CENTURY Primore」 かしわ沼南展示場(千葉県柏市)
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    ※カエルさんの折り方

profile

長山 海澄さん 写真
長山 海澄さん
1997年生まれ。島根県出身。東京大学工学部卒。同大学科学修士。東大折紙サークルOrist 2016年度副代表。折り紙サークルネットワーク 2017年度代表。NHK Eテレのミニドラマ「オリガミの魔女と博士の四角い時間」にて折り紙指導を7年間務める。2024年には「折り紙で親しむ熱帯林の動物たち」を監修。現在は、作家活動を行いながら千葉県柏市などで教室を開催、長山作品150作以上の折り図のなかから好きな作品に挑戦できる。

関連サイト
長山 海澄公式サイト

information

折り紙で親しむ熱帯林の動物たち
折り紙に挑戦しながら熱帯林とその生物多様性の重要性を学べる一冊。熱帯林にすむマレーバクやミナミコアリクイ、チンパンジーなどの折り紙の手順、モチーフになった動物の特徴や生息環境などを解説している。本書は横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO)と横浜市の運営する3つの動物園がコラボレーションして制作。監修は長山海澄さん、各作品は長山さんおよび東京大学折紙サークルOristのメンバーが考案。発売日は2024年12月。販売場所は、よこはま動物園ズーラシア、野毛山動物園、金沢動物園、横浜市庁舎販売コーナー(在庫の有無は事前にお問い合わせください)