
ミサワホームとNECネッツエスアイは、南極観測パートナー認定企業として初の合同帰国報告会を6月30日、東京・立川の国立極地研究所で開催した。
南極観測パートナー企業認定制度とは極地研が創設した制度で、南極地域観測の推進に取り組んでいる企業を認定し広く紹介することで、極地研と民間企業などとのパートナーシップ拡大を図ることが目的。2025年6月現在、ミサワホームとNECネッツエスアイなど12社が認定されている。
報告会では、極地研 南極観測センターの宮本仁美氏より日本の南極観測事業の歴史や意義、観測成果に加え、同認定制度の概要が紹介されたあと、第65次南極地域観測隊(越冬隊)に参加したミサワホーム総合研究所の松本巧也氏とNECネッツエスアイの清水岬氏がそれぞれの南極での活動について発表した。
ミサワホームは1968年から南極地域観測隊の生活を支える建物を受注。その数は累計36棟、現在37棟目となる夏期隊員宿舎の建築が進められている。NECネッツエスアイは、1987年からICTインフラや通信設備を提供し現地での情報共有や安全管理の高度化に貢献している。
松本氏の最大のミッションは、夏期隊員宿舎の第1期工事。完成すると昭和基地で最大規模の建物となり、2032年からの運用を予定している。南極のブリザードに阻まれながらも基礎コンクリート、鉄骨組立、1階壁、2階の床工事までを完了。また、内陸作業用モジュールの建設や他部署への支援工事もあり、厨房からは「暑すぎる」との要望でFIX窓を開閉式窓に取り換えたことも。外は寒い南極でも建物の中はそれだけ暖かいのだという。既存建物を違う用途にコンバージョンしたり、在庫がなくても違う部品を組み合わせて修理したりと創意・工夫は当たり前。時にはドライバー、ペンギン観測のサポートなど、何でもこなしたそう。
「越冬隊員27名と決して多くない人数で、1人ひとりが全体の歯車として、時には主役として立ち回る、そうした柔軟な関係性こそが昭和基地の運営を支えている。まずは協力し合えることが最も大切な条件」と松本氏。関心のあったという南極ごはん1305食すべてを写真に収め、南極生活の一端としてその一部も披露された。
日本にいる仲間やご家族からのエールにも励まされながら1年2カ月の観測活動を終えた松本氏。今後は、出前授業「南極クラス」の南極先生として全国の子どもたちに夢や希望を届けていくことになる。
