国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の宇宙探査イノベーションハブが実施する第13回研究提案募集「Moon to Mars Innovation」において、ミサワホーム、ミサワホーム総合研究所、YKK、カンボウプラスの4社が共同提案した「月面基地構築に資するフレキシブルで施工性の高い空間連結技術の開発」が採択内定された。
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南極から月面へ
拠点構築を支える技術の確立を目指す
宇宙産業の市場規模は2040年までに1・1兆ドルへ拡大すると予想され、市場シェアの獲得をめぐって民間による宇宙事業の活性化や月・火星探査実現に向けた研究開発が世界的に推進されている。今回の提案募集は、官民連携で、宇宙事業化の創出を目指している。
ミサワホームでは、約50年以上にわたる南極の昭和基地での建物受注・建設支援の取り組みを通じて、極限下での工業化技術を育んできた。2017年にはJAXAの探査ハブの研究テーマにおいて「持続可能な住宅システムの構築」を提案し採択。また、ミサワホーム総合研究所とJAXA、極地研と連携し南極の昭和基地およびドームふじ基地において、「南極移動基地ユニット」を用いた「簡易施工性」に関する実証実験を行った。
この実証実験では、専門的な知識を持たない作業者でも容易に建物の拡張・縮小ができる「セルサイクル工法」を採用し、ユニット間の連結技術を検証。その過程でYKKの「スライドファスナー」とカンボウプラスの「膜材」の有用性を見出し、従来の建築現場にはなかった異分野の素材や技術を融合させることで「フレキシブルで施工性の高い連結技術」を確立した。
この成果は、ミサワホームのトレーラーハウス「MOVE CORE」にも応用されているほか、さらに自由な発想で空間を拡張できる連結技術の開発にも着手し、現在まで4社による共同実証と改良を重ねてきていた。
今回の提案は、地上での研究開発や技術実装を通じて培ってきた「フレキシブルで施工性の高い空間連結技術」を、宇宙環境に適応する「空間連結技術」として確立することを目指すもの。月面拠点構築の初期段階では小型のモジュール型の拠点連結により拠点規模を拡大することが有力なステップであると考えられており、今回の提案は、月面拠点構築に大きく寄与できる要素を有していると評価された。
ミサワホームとミサワホーム総合研究所が全体の総括や工業化技術によるモジュールの開発・実証実験を担い、YKKがスライドファスナーなどの開発・供給を、カンボウプラスが膜材などの開発・供給をそれぞれ担う。
まずは2026年3月までに、宇宙環境での利用を見据えた「空間連結技術」の確立に向け、必要となる具体的な研究項目を策定。その後、2年間、JAXAを含む5者が協力し、要素レベルでの宇宙実証も視野に入れた技術開発に取り組む。


