画家・清川泰次展
ミサワホームと共創した「生活に芸術を」
企画住宅用カーテンや"住まいの文化誌”を展示

 画家・清川泰次氏のデザインの仕事に焦点を当てた展覧会が、世田谷美術館分館清川泰次ギャラリー(東京都世田谷区成城)で開催されている。この展覧会では、清川氏がミサワホームからの依頼でデザインした企画住宅用のカーテンやミサワホーム総合研究所が発行した書籍「住まいの文化誌」シリーズなどが当時の清川氏の作品とともに展示されている。

「ミサワホームOⅡ型」のためのカーテン生地の見本を展示

 清川泰次氏(1919年ー2000年)は、慶應義塾大学卒業後に画家として活動を開始。初期の具象画から抽象画へ画風が移行し、1970年代には白いキャンバスにグレーなどで線を描くシンプルなスタイルへ展開する。70年代後半にはデザインの仕事も手掛け始め、1979年にミサワホームの依頼で企画住宅「ミサワホームOⅡ型」のためのカーテンをデザインする。カーテンのコンセプトは「生活に芸術を採り入れる」。「作品が主張することなく美しく個性を発揮しながら生活に彩りを添えるようなデザインを」求めた。それに応えた清川氏デザインのカーテンは、線を用いたシンプルでありながら美しい個性を放つデザイン。暮らしに芸術を採り入れようとした先進性と普遍的な美しいデザインは、半世紀近くたつ現代にも通じるデザイン思想といえる。
 また、清川氏とミサワホームの関係を語る上で忘れてはならないのが書籍「住まいの文化誌」シリーズだ。「住まいの文化誌」は、「多くの文化人の意見を住まいづくりに生かしたい」との意図で制作され一般書籍として販売された。「日本人」「災害」「四季」「祭り」など日本の住まいや文化をテーマに数十篇の書き下ろしエッセーや写真で構成。1983年から2000年までミサワホーム総合研究所から17巻が発刊され、清川氏は装幀(表紙、見返し、裏表紙)のデザインと色指定を手掛けた。
 単なる本の装幀にとどまらず「絵画」として成立するように計算されたそのデザインは、ミサワホームの文化的な側面を強く象徴づけた。
 住まいの文化誌シリーズでは装幀のデザインだけでなく、「家人三代」(1989年)と、「趣味人間」(1993年)、「築蔵人間史」(1994年)にエッセーも寄せている。
 画家と住宅メーカーであるミサワホームが深く共鳴し合いデザインした〝生活の美〟にふれる必見の展覧会となっている。
 なお、会場の清川泰次記念ギャラリーは、以前は自邸兼アトリエとして使われていた建物。建築へのこだわりが垣間見えるコンクリートブロック造の壁の一部やアトリエ床の絵具跡は当時のまま。同館は改築工事を予定しており、画家の暮らしと創作を支えたこの建物での展覧会は貴重な機会といえる。

住まいの文化誌シリーズ17巻を一堂に公開

世田谷美術館分館 清川泰次記念ギャラリーで3月15日まで開催中

■「清川泰次デザインの仕事ー生活に息づく美」
 期間:2025年10月1日ー26年3月15日
 場所:世田谷美術館分館 清川泰次記念ギャラリー
 東京都世田谷区成城2ー22ー17
 開館時間:10~18時(最終入館17時半)
 休館日:毎週月曜日ほか

当時の展示場写真を使った展覧会チラシ
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