ミサワホームグループは近畿大学と協力
住宅技術と先進的なケアの取り組みを発信
大阪・関西万博オランダ館で5月8日、日本とオランダの住まいとケアに関する専門家と学生が集う「日蘭交流シンポジウム」が開催された。このイベントにミサワホームグループは、近畿大学とともに協力し、日本の住宅メーカーとしての技術と先進的な取り組みを発信した。



このシンポジウムは、オランダ館のテーマである「Common Ground」に基づき、HAN University of Applied Sciences(以下「HAN応用科学大学」)が主催。日蘭両国の住まいやケアに関する研究者や実務者が集い、両国間の知見共有と連携強化を通じて持続可能な社会のあり方について議論を深めるのが目的だ。
近畿大学建築学部の山口健太郎教授など6名の専門家が登壇するなか、ミサワホームグループからミサワホームエグゼクティブアドバイザーの吉田肇氏とミサワホーム総合研究所フューチャーデザインセンターの大原亜砂子氏が、「住まいを通じて生涯のおつきあい」をコンセプトにミサワホームの住宅やリフォーム、介護の技術について講演した。
吉田氏は、ミサワの技術のルーツは南極にあり約半世紀にわたり南極・昭和基地での建物建設サポートを担っている。環境に配慮した木材をフィンランド自社工場から調達し日本の木質パネルに使用。高強度な住まいはとくに自然災害大国の日本において地震による倒壊ゼロを継続、長く住める住まいを実現している。
日本では2050年に全人口の平均年齢が60歳、100歳以上が60万人と予想され、オランダの平均43歳、100歳が2500人と大きな差がある。この超高齢社会の日本の住まいでは政府の在宅介護の推奨もあって、介護になる前に自分の判断で早めに備えておくことが必要となっている。ミサワホームでは、温熱環境にも配慮し健康で快適にいつまでも自宅に住み続けられる〝ミサワウエルネスPLAN〟をリフォームで提案していることを紹介した。
また、西五反田の高齢者等複合施設におけるコニカミノルタ社の見守りシステム「HitomeQ ケアサポート」による介護技術の共同開発や介護現場とテクノロジーの融合による介護品質の向上、業務効率化の成果などを発表。
大原氏からは、高齢期のウェルビーイングに向けた新たな取り組みとして日欧による産官学連携プロジェクト「eVITA」について、その実証内容や成果を説明した。
このプロジェクトでは、日・独・伊・仏各国の在宅高齢者の活動量や健康状態などをセンサやウエラブルデータから、心身の健康について個人に合ったアドバイスを提供するだけでなく、ヒューマンコーチらによる支援を組み合わせ、高齢者が社会とつながりながら健康的で自立した生活を維持できる仮想コーチングシステムの開発を目指した。実証の結果、新たな包括モデルの構築や健康管理や生活の質の向上、文化や地域の違いを超えた持続可能な高齢者ウェルビーイング向上の可能性が示されたという。
この後の質疑応答ではHAN応用科学大学の視察が予定されている西五反田施設の見守りシステムについての質問が集中するなど関心の高さがうかがえた。シンポジウムではオランダパビリオン設計者のリモート講演のほか、日蘭の専門家による講演、さらにはオランダ現地から、同大学生約80名がweb参加するという住まいとケアについて考え議論する貴重な機会となった。


