先代からの継承によりクリニックを開業されている医療機関様が、より在宅医療に力を入れられる仕組の一つとして選択されたのが"サ高住"です。
既存の診療所が無床であった為、自院の患者からの「最期まで先生に診て欲しい」「自宅で最期を迎えたい」といった要望に応えるべく、病床の代わりとしても機能する高齢者住宅を目指しました。
計画地として検討したのは先代の診療所跡地。通院されていた患者の高齢化も進み、慣れ親しんできた雰囲気をそのまま残せるよう工夫しました。
完成したのは入母屋の落ち着いた趣がある住宅で、既存の門や植栽等を活かし、新設した塀には"鶴"がデザインされた鬼瓦を再利用しました。
建築DATA | ||||
---|---|---|---|---|
敷地面積 |
1722m2 (520坪) | 延床面積 |
1189m2 (359坪) | |
構造・規模 | 鉄骨造 2階建 | 開設 | 2013年 |
翔鶴では看護師が待機できるようなステーションを設けた一方で、居室のトイレは背当てを標準とし、洗面台は自動水栓を採用。ベッドスペースには手元灯を常備し、緊急時の入居でも対応できるよう準備されています。併設しているデイサービスセンターにおいても機械浴の他、3方向介助浴など、様々な状態に応じて入浴介助できるよう考慮されています。いずれも医療対応できる事が大前提であり、自院で通院が困難になった患者や、他病院を退院する人にとっては住まいの選択幅が広がりました。なかにはホスピスのような切実なニーズも根強く、在宅医療の最前線に接している中で、安心して最期まで暮らせる住宅を追求しました。
基盤となるクリニックは、サ高住から車で約2分。連携がとりやすい環境も整い、更なる理想の住宅を実現させるために試行錯誤を続けています。