平成8年、札幌市白石区に訪問介護事業所を開設後、地域の中で介護の経験を培ってきた事業者様。本社の移転とともに、新たな地域包括ケアの拠点として複合施設を開設するに至りました。完成したのはサービス付き高齢者向け住宅に施設を併設した複合施設。もともと同地域で介護事業に携わっていた経緯から、地域のニーズは十分把握した上での開設となりました。
高齢になっても、病院や施設ではなく、住み慣れた家、愛着のある土地で暮らしていきたいという要望に応えるべく計画されたのが"自宅"でもあるサ高住。その在宅生活を小規模多機能型居宅介護、訪問介護および食事の提供、生活相談、見守り等トータルで支えていきます。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
1125m2 (340坪) | 延床面積 |
2031m2 (614坪) | |
構造・規模 | RC造 4階建 | 開設 | 2012年 |
空間や使い勝手は随所に拘りがあり、例えば手摺やナースコールは全て理学療法士の指導の下に設置し、建物内は引戸か折戸を基本とした扉を始め、洗面台も車椅子に対応できるよう配慮しております。
家具にも拘りがあり、ダイニングテーブルは天板の端を着色し、濃淡によって机と認識しやすくした他椅子は車椅子に移乗しやすいもの、体勢を維持しやすいものなど、利用者によって使い分けられるよう考えられております。
小規模多機能型居宅介護はスペースが限られていた事から、宿泊する個室はリビングと共用できるよう効率よく空間を確保。また、四つん這いがリハビリに有効ともいわれ、効果が期待されている畳部分は、床から一段上げる事によって腰かけやすく、下部を収納として有効に活用する事もできます。
地域を第一に考えた本施設は、不足している児童の発達支援所を併設する等、高齢者介護のみならず、福祉全般の基幹となるべく開設されました。