診療所から車で10分程度に位置する「美しが丘」は、北海道の高齢者を考え尽した住宅となりました。
閑静な住宅地にありながら、西側には乗馬クラブが広がり、森の中で生活している雰囲気を味わえるとともに、徒歩圏に商業施設がある利便性が相まって、理想的な環境を演出しています。建物外観は北海道ならではの郷愁をさそい、通学路である前面道路は子供が元気に行き交います。高齢者は子供や動物を見ると喜ぶという観点から、日常生活に刺激を与えたいという想いもありました。そのような住環境も手伝って、開業後わずか2ヶ月で満室になりました。
もちろんそれだけではなく、満室にいたった理由として、まず近隣急性期病院のMSWを訪問し、退院後の受皿として求められる機能をヒヤリングする事から始め、地域連携室、ケアマネージャー等が要望する住宅像に合わせて体制作りを行いました。
そのうえで、どのような医療行為を提供できるかをアピールする事により、紹介する側にとっても安心して薦められる住宅となりました。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
2714m2 (820坪) | 延床面積 |
1625m2 (491坪) | |
構造・規模 | 木造 2階建 | 開設 | 2013年 |
「美しが丘」に住む高齢者は平均要介護度も高く、開設後すでに看取りも行っています。経験から家で最期を迎える事は難しく、生を全うしながら暮せるための運営手法として「ユニット」を取入れました。
既存事業であるグループホームの運営から、高齢者を孤立させない、役割を失わせない、といった効果が非常に高いことは実証済みで、時には相互介助もみられ、自然と家庭的な雰囲気ができています。
入居者に満足感と安心感を与える一方、事業面では既存の通所リハビリ、訪問診療、訪問介護看護など、予想以上の相乗効果も上がっています。
まだ始まったばかりの住宅事業。「美しが丘」は地域の為に理想を求め続けます。