地域貢献でもあり、公的にも役立つ活用を模索していた中でたどり着いたのは、介護施設でした。
当初建物を一括で介護事業者へ賃貸する予定で計画されましたが、親族が介護事業に取り組んでみたいという要望もあった事から、別に法人を立ち上げ、介護事業者のFCとして運営する事になりました。こだわったのは、京都岩倉という地に相応しい上質な和モダンの空間。総合インテリア企業とのコラボレーションにより実現しました。
建物全体をコーディネートしており、居室は「花鳥風月」という言葉一つ一つに合わせたコラボルームも設定。家具をはじめカーテン、照明、クロスまで徹底的に拘り、好みに合わせて選ぶ事ができます。また環境に配慮した結果、全量買取の太陽光発電を搭載し、雨水利用タンクも設置しました。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
2399m2 (725坪) | 延床面積 |
1383m2 (418坪) | |
構造・規模 | 木造 2階建 | 開設 | 2013年 |
一方で運営上こだわったのがデジタル化です。
睡眠等の妨げにならないよう、ベッドマットの下に取り付ける「睡眠管理システム」を取り入れ、睡眠と覚醒のリズムを把握し、安否確認ができるようにしています。併せてトイレ誘導等にも活用できる他、体調の変化にも対応可能です。従来は生活リズムをベテランスタッフが経験や勘から管理する事が多く、退職等による引き継ぎが大変でしたが、その手間が省ける上、分け隔てのない対応が可能となりました。また、入退室のシステムを組み込む事により、訪問介護の実施や記録も連動した一連の情報を専用HPにてリアルタイムに見ることができます。このシステムによって入居者及び家族にとっても大きな安心につながり、暮らしやすさも演出しています。
さらに予防という観点で注力するのが"口腔ケア"。感染症の予防には不可欠と考えられています。