在宅へスムーズに移行させるためにも、受け入れ側の在宅療養を支えるサービス体制の構築が必要ですが、これまで実施してきた訪問看護だけではケアに不足があり、難しいと感じていました。そんな折、元々実施したいと考えていたサービスが平成24年4月に複合型サービスとして制度化されることを知り、いち早く取り組むことにしました。
複合型サービスは、自宅から近い身近なところで顔なじみのスタッフから「通い」「訪問(介護)」「訪問(看護)」「泊り」といった4種類を組み合わせたサービスが受けられること、特に医療が必要な方の在宅生活を支えるときに、訪問看護が中心となって療養を支えられる仕組みとして期待されています。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
422m2 (127坪) | 延床面積 |
363m2 (109坪) | |
構造・規模 | 木質パネル構造 2階建 | 開設 | 2013年 |
在宅生活をサポートする「第二の我が家」として、施設ではなく、普通の民家を意識して建物をつくりました。バリアフリーではなく、玄関や和室などに段差をつくり、リビングやダイニングも一体的に大空間とするのではなく目が届かない死角を設けました。介護する側の目線ではなく、「家に帰れば落ち着く」その感覚を重要視し、自宅にいるような、くつろげる環境を目指して建てました。宿泊用の個室は、機能性を重視し、部屋ごとの違いをわかりやすくしました。同じ部屋が並んでいるのではなく、各部屋の入り口脇と部屋内部の壁紙の色、窓の位置や種類、カーテンの色など部屋ごとに変えています。リビングのサッシは全開口となるタイプとし、連続して外部にウッドデッキを設けて広々と開放感を演出。ウッドデッキの前にはあえて、フェンスを設けず、地域に開かれたイメージとなるようにしました。屋根には太陽光発電を搭載し、発電機も設置。特に災害時、利用者はもちろん、地域の人もささえられればとの思いをこめました。