サービス付き高齢者向け住宅「百楽苑」は、その名のとおり、既存施設利用者の「100歳まで楽しく長生きしたい」という思いから命名されました。
開設したのは有床診療所を運営している医療機関様。急激な少子高齢化の進展により、家族による介護が限界を迎える中、地域の実情を考慮した、地域貢献にもなりうる高齢者住宅となりました。
当初は小規模特養等介護施設を検討していましたが、制限も多く、公募事業の為思うような計画が組めず、サ高住に計画変針しました。その際住宅ならではの観点から、立地は多少狭くても街中で、できるだけ有床診に近接しているところを選択しました。
その甲斐あって有床診との連携により、24時間いつでも往診が可能で、訪問診療も受けやすいサ高住が実現しました。建物最上階は眺めの良い共用食堂と、地域を代表する画家の絵が展示できるように工夫。
展示スペース開放により地域貢献に努めた一方で、入居者が地域とのつながりを保ち続けられるように配慮されています。
建築DATA | ||||
---|---|---|---|---|
敷地面積 |
723m2 (218坪) | 延床面積 |
1266m2 (382坪) | |
構造・規模 | 重量鉄骨造 4階建 | 開設 | 2014年 |
百楽苑では、開設前に申し込みが殺到したものの、あくまでも入居決定は建物完成後かつ見学後という方針を採っています。建物を気に入ることはもちろん、メディカルチェックのうえで適正を判断し、精査をかけていきます。現状の入居希望者は自院の患者が50%程度という内訳ですが、神経系が専門ということからも認知症患者は積極的に取り組む予定で、地域内の主治医ではない患者にも門戸を広げて貢献していきたいという願いがあります。
見学者からは、「洒落た建物が完成したおかげで、街の景観が良くなった」と好評で、設計施工に携わったミサワホームとしても嬉しい結果となりました。