在宅での医療提供体制の構築が推進される中、われわれ薬局も在宅への対応が求められています。しかしながら、薬剤師による在宅への訪問回数が制度上、限られていることや、患者の情報不足など、現場での課題は少なくありません。
サービス付き高齢者向け住宅(サ付き住宅)内であれば、薬剤師と介護スタッフはコミュニケーションがとりやすく、在宅における情報不足を補うことができます。また、他の介護施設や高齢者住宅との付き合いも、これまでの薬局としてだけではなく、同業者としても情報交換ができるようになります。
自らモデルケースをつくり、在宅への取り組みを強化しながら、在宅における薬剤師の役割を伝えることで、地域の高齢者住宅等の質の向上にも寄与したいと考えています。
建築DATA | ||||
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敷地面積 |
1002m2 (303坪) | 延床面積 |
863m2 (261坪) | |
構造・規模 | 木造 2階建 | 開設 | 2013年 |
入居者ニーズは大きく分けて、自立支援と、重度で医療依存が高く自宅での生活が困難な方への対応と2つに分かれます。自分や家族が将来住むことを考え、いずれのニーズにも対応できる、ハード・ソフトを備えた住宅をめざし整備をいたしました。
サ付き住宅でありながら、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の事業者指定をうけ、重度対応を実現するために厚い人員配置体制を構築しています。高級旅館を参考につくったこだわりのお風呂や各居室は広く感じられるように、間口が広い設計とし、湿度調整機能がある建材”エコカラット”を貼るなど居心地の良さを演出。外部には蓄電池機能を備えたソーラー外灯を設置し、災害時の対応も考慮しています。
入居者に加えて、介護事業を指定する行政にも評価されるサ付き住宅運営を実現することで、長期安定経営を目指したいと思います。