トップ - HomeClub特集 / 住まいのイメージをふくらませる - 気持ちよくテレワークするために設計段階から工夫したいこと
2022.05.30
ワークスタイルごとに照明を計画すれば、仕事はより快適&効率的に。「フォーカス」には、作業や勉強に適した「昼白色」の白い光がおすすめ。「スイッチ」では、家族団らんの時間は電球色、仕事時は温白色に切り替えできるダウンライトなどを設置すれば、気持ちのオン/オフがつけやすい。「リチャージ」はリラックスできる電球色を。照度をやや低めにすれば、落ち着いたくつろぎ空間に。
室温は仕事の効率を左右する要素のひとつ。快適な室温は人によって異なるが、厚生労働省のテレワークのガイドラインでは18~28℃が作業に適した室温とされている。注意したいのは上方と下方の室温差。頭部の室温が快適でも、足元は冷えすぎているということがないように気をつけたい。足元の冷やしすぎは仕事の能率低下だけでなく、健康を損なう原因ともなるので気をつけよう。
散らかりっぱなしのワークスペースは、仕事の効率を落とし、終業後もリラックスできない。仕事道具や資料、書類など、必要なモノをしまえる収納をしっかり設けておきたい。家族でワークスペースを共有するなら、キャスター付きワゴンがおすすめ。専用のワゴンがあれば、家族それぞれのモノが整理できるので便利だ。
タブレットやノートパソコンでテレワークを始めたが、目が疲れるので大きなディスプレイを購入したという方が少なくない。ここで問題になるのが机の奥行き。大型ディスプレイを置くなら、奥行き60㎝は確保したい。奥行きがあると、手元の作業スペースも拡大するので仕事が快適。自分のワークスタイルに合った奥行きの机を選ぼう。
会社なら同僚とのちょっとした雑談が休憩になるが、テレワークでは、つい休憩をせずに仕事を続け、疲労やストレスをためこんでしまいがちだ。それを防ぐには、意識的に休憩を取れる場所をつくっておくことも大切。家事のタスクや仕事道具が目に入るとリラックスできないので、それらが視界に入らない場所がおすすめだ。
ワークスペースでは、パソコン、ディスプレイ、プリンター、デスクライト、スマートフォンの充電器など、多くのコンセントが必要だ。コンセントの位置が悪いと床が電源コードだらけに。設計時に数と配置を検討しよう。抜き差しが多いコンセントは手元に、差しっぱなしの多いコンセントは足元に設ければ、コードの露出が最小限に。
森元瑶子(もりもと・ようこ)
ミサワホーム総合研究所 マネジメントセンター 住文化資産活用プロジェクト主任研究員。
2010年からテレワークをはじめとした住宅の調査・研究を行う。「ミニラボ」をはじめ、テレワーク住宅のコンセプト提案をしてる。