interview
夫婦の家事シェアは
対話して考えましょう
すきだよ 代表取締役
あつた ゆかさん
夫婦というチームで
問題を解決して乗り越えて
夫婦は尊い存在になっていく。
そのために重要なのが"対話"。
あつたさんに、その詳細を聞いた
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- 自己紹介から始めますね
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「株式会社すきだよ」のあつたです。「誰もが大切な人とずっと幸せでいられる社会をつくる」をビジョンに、夫婦のパートナーシップやライフとキャリアの両立を支援しています。たとえば、共働き夫婦の対話支援アプリ「ふたり会議」は、家事や子育て、資産形成など、YES・NOの二択で答えられる質問を用意しています。その結果をもとに「夫婦で対話してほしい」、「ベストな選択肢を見つける可能性を高めてほしい」という想いで制作しました。
夫婦には問題がたくさん発生します
結婚すると、解決しなければならない問題がたくさん発生します。家事や育児の分担やスタイル、仕事、住まい、資産形成など‥‥「子育てを考えてリモート中心の仕事に転職するのか」、「小学校は私立もしくは公立、学区はどうするのか」。以前にも増して、選択肢が増えています。そういう問題を、夫婦というチームで解決して乗り越えていく必要があります。そのときに重要となるのが"対話"です。
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- 夫婦で対話をしていますか?
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「今日のご飯はナニにする」といった会話をしている夫婦は多いのですが、対話をしている夫婦は少ないんです。私たちのユーザーアンケートでは「対話ができている」と答えた人は3割でした。対話は、お互いの価値観や意見の違いをわかりあおうとするものです。「どうしてそう思っているのか」を話し合い、解決策を探していく。解決策が出なくてもよくて、お互いの想いを知ることで夫婦というチームが前に進みます。
モヤモヤはチャンスです
小さなモヤモヤは家庭をよくするチャンスです。私たち夫婦も、食洗機のお皿の入れ方について意見が異なり、2時間以上も対話したことがあります。先日、私が脱ぎ捨てた靴下をぽいと置いておいたら、夫が怒ってその怒りの勢いに私がモヤモヤして、話し合いをしたんですけど。私のだらしないところが10コくらい続いていて、靴下の件が11コめだったと聞いて「それはしょうがないな」と反省しました(笑)。
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- 対話を通して家事シェアを
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まずは、ふたりのキャリアや子育てなどの優先順位を洗い出していくことから始めるのがお勧めです。「いま、自分たちはどんなことに時間を使いたいんだろうか? 妻は忙しいプロジェクトに入りそうで、夫は管理職になるためにエンジニアの勉強をしたい。家族で公園に行く時間を増やしたい」とか。ふたりの想いを共有することが大切です。
お互いの背景がわからないとケンカに
いきなり、家事シェアから話を始めてしまうと、お互いの背景がわからなくて、妻は「どうして、私ばっかり家事をしなければいけないの」となり、夫の立場からすると「今は忙しいから、家事はできないよ」と感情をぶつけあってしまい、ケンカになるしかないんです。
次に家事のスタンスを決めていく
次のステップは「家事のスタンスを決める」です。夫婦によっては「すべての家事は省エネです」とか「子どもと笑顔で触れ合うのが大事だから、料理はすべて外注にする」。自分で料理をするし、外注もするというハイブリッドの方もいます。それから減らす家事もあるはずです。子どもが生まれたら、子育てという新しいタスクが増えるので、業務過多になってしまいます。「掃除は週1でいいよね、週2は外食にしよう」と調整していくといいですね。
最後に、どのように家事をシェアするか
最後に、家事をどのようにシェアするのかを話し合うのがいいですね。心の負担や得意分野で決めるのがいい。たとえば、私にとってのお皿洗いと、夫にとってのお皿洗いは、心の負担が違います。お互いに苦にならない家事を担当して、苦になるものは外注していくのがいいですね。
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- 家庭運営には仕組みが必要です
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突然の子どものお迎えは、共働き夫婦の悩みです。ウェブ上でスケジュールを共有している夫婦がいて「重要度」や「調整しやすさ」をわかるようにしていました。そうすることで、お迎えのストレスが減ったそうです。家庭運営には仕組みが必要‥‥仕事もそうですけど、なにもしなくて運営できることはありえませんね。
パートナーへの伝え方も大切
夫が家事を忘れると「やる気がない」、「嫌がらせしているのかな」と結びつけてしまう人がいます。でも口頭で言われて、忘れているだけかもしれません。会社だとリマインダーやタスク管理シートがありますよね。耳優位ではなく視覚優位の人もいますから‥‥スマホでメッセージしたり、ホワイトボードに書くなど伝え方の工夫も大切です。
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- 住まいづくりにも対話を
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お互いに、住まいのこだわりが異なると思うんですが、住まいづくりを通して自分たちの理想の暮らしを言語化していくのは、いい経験になります。「夫婦でどのように生きていこうか」、「家事や子育ての分担やスタイルはどうしていくのか」。そういうのがすべて詰まっているのが住まいなので、住まいづくりを考えるときには対話を重ねていってほしいですね。
夫婦が尊い存在になっていきます
夫婦は、一緒に協力して生きていくために結婚したわけですし、好きで結婚したわけです。異なるバックグラウンドを持つ他者と暮らすのは面倒なことが多いんですけど、靴下の脱ぎっぱなしとか。それを対話で乗り越えて、家庭の悩みも仕事の悩みもすべて話せるようになっていく‥‥そうして夫婦が尊い存在になっていきます。人生に絶対的な味方がいれば、幸せになれます。
撮影:ミサワホーム「URBAN CENTURY」錦糸町展示場(東京都墨田区)
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profile
- あつた ゆかさん
- 株式会社すきだよ 代表取締役。家族・パートナーシップに関する社会課題を解決し、ふたりらしい生き方を支援している。対話支援アプリ「ふたり会議」、パートナーシップを学ぶコミュニティ型スクール「ふたりの教室」を運営するほか、企業・自治体向けに共働きでのキャリア形成や両立支援セミナーも提供。TBS・フジテレビ・ABEMA
ほか、日経ウーマン・日経新聞などメディア出演・掲載多数
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