interview
洗濯を楽しい家事に、
好きな服をいつもきれいに
洗濯研究家
平島 利恵さん
「好きな服がいつもきれいだと
毎日を前向きに過ごせます!」。
洗濯を研究して9年の平島さんに、
洗濯が楽しくなる
お洗濯メソッドをインタビュー
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- 洗濯は嫌いな家事?
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家事で人気がないのが洗濯です(笑)。いちばん人気は料理で、食べる喜びがありますし、収納も人気で片づけるとキレイになります。でも、洗濯は結果が見えづらいんです。それに、洗ったら縮むかもしれないし、染みを取ったはずが残っているとか‥‥マイナスな結果もあったりして、嫌いな家事になっています。
誰からも習っていないんです
料理はお母さんに教えてもらったり、料理教室や料理動画もたくさんあるんですけど、洗濯は誰からも習ったことがない方がほとんどです。でも、正しいお洗濯メソッドを知れば、好きな服がきれいになりますし、洗濯が楽しくなります。
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- 洗濯機の設定は、お急ぎモード?
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洗濯機の設定をお急ぎモードにしている方が多いんです。お急ぎモードは、洗いに5~6分でためすすぎ1回が標準です。その設定を見直すと、汚れ落ちが変わります。ふだん着でしたら、洗いは10~11分にためすすぎの2回、脱水6分がお勧めです。汚れが多い場合は、ためすすぎを3回ですね。肌が弱いお子さんがいらっしゃる場合は、ためすすぎを3~4回が望ましいです。
洗濯という漢字の意味
洗濯っていう漢字は「洗う」と「濯ぐ(すすぐ)」です。すすぎをおろそかにすると、洗濯の漢字の半分が消えてしまう(笑)‥‥結果が出ないんです。しっかりとすすぐと、汚れや臭いを落としてくれます。肌にもいいですし、繊維の状態がよくなり、好きな服を長く着ることができます。お急ぎモードは早いですけど、洗濯機が動いている時間は他のことに使える時間なので、結果が出るモードがいいと思います。
柔軟剤の使い過ぎに注意です
お急ぎモードだと臭いが残ることがあり、それで香りつきの柔軟剤に頼る方が多いんです。でも、すすぎ不足で汚れが残った服に柔軟剤を使うと、汚れごとコーティングしてしまい、元の臭いと香料が混ざって嫌な臭いの原因になってしまいます。柔軟剤はニットやおしゃれ着など、必要なものに適量を使うのがいいですね。
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- 効果的に、つけ置きをしましょう
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汚れのひどいものは、40℃ほどのお湯2Lに洗剤(Rinenna[リネンナ]の場合)を20
g程度入れてつけ置きすると驚くほどきれいになります。洗濯機と比べて洗剤の濃度が濃くなりますから‥‥。ワイシャツの襟まわりは、洗剤を塗るなど前処理して、つけ置きするといいですね。もみ洗いやこすり洗いをすると染みが入り込んでしまいますし、衣類を痛めてしまいます。
※つけ置きの使用量は洗剤により異なります。詳しくは各洗剤の商品パッケージにてご確認ください。また、お湯でつけ置き洗いをする前に、必ず洗濯表示の液温の上限をご確認ください。ニットやデリケート素材はつけ置きNGのものが多いので注意してください。
スニーカーやぬいぐるみもつけ置きに
スニーカーや上履き、ぬいぐるみもつけ置きがいいですね。上履きは、ゴシゴシと強く洗うと、余計に毛羽だって汚れが入ってしまいます。なでるくらいで汚れを落として、つけ置きです。ぬいぐるみもつけ置きがいいんですが、ブクブクと泡が出てしまい、お子さんが「ぬいぐるみが死んじゃう」と驚くことがあるので、要注意です(笑)。
子どものお手伝いデビューに
家事のなかで、いちばんハードルが低いのが洗濯です。熱を使わないし、危険なものがない。上履きのつけ置きだったら幼児でもできます。きれいになるのがわかるので、お子さんも喜びますね。
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- キッチンの近くにランドリールームを
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できれば洗濯が好きになる住まいがいいですね。料理をしていても洗濯機の終了音が聞こえるように、キッチンの近くにランドリールーム。そして、ランドリールーム近くにファミリークロゼットがあるといい。服をたたむのは時間がかかるので、ハンガーにかけて室内干しするとラクですね。
室内干しできる仕様に
春は花粉で、黄砂が飛んできますし、夏になるとゲリラ豪雨が発生します。それに紫外線の破壊力は強くて、特にポリウレタン混紡化繊のユニフォームやスニーカーは劣化します。ポリウレタンは熱にすごく弱いんです。特に共働き夫婦だと帰宅するまで取り込めないので、室内干しできる仕様にしておくといいですね。
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写真左/2011年にGENIUS Qualie(ジニアス クオリエ)で発表した「リフレッシュクロゼット」、写真右/SMART STYLE Roomie(スマートスタイル ルーミエ)の脱衣室兼ランドリールーム
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- いつもきれいだと、うれしい
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子どもの幼稚園の体操服は、白色でした。あるお母さんから「いつも新品みたいですね」と言われたことがあるんです。私は白いのが当たり前と思っていたんですけど、そうでもないんですね。それで洗濯メソッドをお話させていただきました。きっと、そのお母さんも体操服が白いままだとうれしいし、お子さんもうれしいんだと思うんです。
生活そのものが前向きに
子どもにかわいい服を着せたいけど、汚すからと諦めていたり、汚しているのを見てイライラしたり‥‥大人も好きな服は同じですよね。汚れるのが怖いから、着るのを我慢する。洗濯メソッドを知れば、汚れても大丈夫です。逆に洗濯できれいにすることが楽しくなって、生活そのものが前向きになっていきますね。
profile
- 平島 利恵さん
- 洗濯研究家、株式会社Heulie(ユーリエ)代表取締役。4児の母。武庫川女子大学を卒業し、株式会社リクルートに入社。じゃらんnetに携わり、株式会社マクロミルへ転職。2013〜2015年ニューヨーク在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗濯の着想を得て帰国。2016年株式会社Heulieを設立し、洗濯洗剤と布おむつ・布ナプキンブランド "Rinenna(リネンナ)"を展開。洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。LINEの公式ページでは、詳細にお洗濯メソッドを公開中。
関連サイト
Rinenna(リネンナ)公式サイト