interview
高断熱住宅で
心も身体も健康に
ミサワホーム 性能技術課
片田 和也さん
健康改善や光熱費削減、
家族が朝から活動的になったりと‥‥
高断熱の住まいでは暮らしの質が向上。
暮らしの魅力や気にしておきたいことを
片田さんにインタビュー。
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- 健康な暮らしを提案したい
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私が所属する技術部性能技術課は、住宅の温熱環境や音、空気環境といった室内環境に関わる技術開発を行っています。私は、そこで10年近く課長を担当しているんですけど、課の方針は「快適な住環境を我々が作ることで、心と身体ともに健康な暮らしを提案したい」。これは就任当初から変わっていません。
断熱等級の大幅引き上げに
近年、国は2050年のカーボンニュートラル・脱炭素化社会実現のために、断熱性能を高めていく施策を打ち出しています。断熱等性能等級は2022年3月までは4が最高等級でしたが、2022年4月にZEH水準の等級5が、同年10月にそれより上の等級6と7が新設されました。
日本全国で最高基準の等級7に対応
ミサワホームでは、エリア限定で運用していた次世代断熱仕様を、断熱等性能等級7に対応する「スマートテック断熱アドバンス※」として、2024年10月より全国展開を始めました。日本のどのエリアでも、等級7に対応できるようになりました。
※スマートテック断熱は木質系工業化住宅商品のみ、品確法に基づく住宅性能表示制度における断熱等性能等級7、省令準耐火構造のみ ※沖縄除く ※敷地条件等、施工できない場合を除く ※プランによる
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- 夏は涼しく、冬は暖かく
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高断熱の住まいは、室内と屋外との熱の移動を極力抑えることができます。そのため、少しの冷暖房と換気システムで、夏は涼しく、冬は暖かく、一年中快適に暮らすことができます。冬でも高断熱の住まいであれば、早朝から温度が下がらず、ご家族が活動的に過ごすことができます。ミサワホームの等級7仕様の住まいでは、平成4年基準(新省エネ基準)仕様の木造住宅と比べて、冬の朝の室温が10℃以上暖かいという試算が出ました。
室内の温度差が小さくなります
断熱性が低いと、同じ部屋の窓の近くと部屋の中央付近で体感温度が違ったり、天井と床付近では温度差が大きかったりします。特に乳幼児やペットは床に近い位置で暮らしていて、大人が感じている以上に寒かったりするケースがあるのです。高断熱住宅では、室内の温度差がとても小さくできるのも魅力です。
数多くの健康改善の研究結果が
最近、注目されているのが健康への効果です。国土交通省と日本サステナブル建築協会、大学の先生方が研究をされていて、高断熱の住まいでの暮らしが健康改善につながることが明らかになりつつあります。たとえば、国土交通省のホームページでは「ぐっすり寝られてすぐ起きられる」「喘息などになりにくい」「入浴事故が少ない」などの研究結果が公表されています。
国土交通省HP 省エネ住宅で かなう健康&快適生活
その他にも、いろんな変化が
高断熱住宅は、光熱費が抑えられますし、結露が発生しにくくなるため、掃除が楽になります。冬でも薄着で過ごせるので、洗濯や片づけの手間が減ります。同時に、高断熱のサッシは遮音性も高まっていますので、静けさも増して、くつろぐことができます。高断熱住宅では、いろんな面で暮らしの質が高まります。
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- 断熱性能に日射を考慮して
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昨今の猛暑を考えると、断熱性能を上げて日射の影響を考えないと暑すぎる住宅になってしまいます。近年、問題になっているのが、夏場に直射日光が入って、室内がオーバーヒート状態になってしまうことです。真夏だけでなく、夏の前後で太陽高度が少し下がると日射が入りやすくなります。そういう日射を考慮した設計が必要です。
設計の工夫で暮らしやすい住まいに
等級6とか7は、あくまで数字なので、UA値が0.01下がったから、性能が大きく下がるわけではありません。断熱等級は目安として考えていただいて、日射の影響を考慮して、深い軒で日差しを遮ったり、他にも窓の向き、遮熱ガラスの利用など、設計の工夫を行うことが重要です。それらがトータルとしての暮らしやすさにつながっていきます。
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- 住まいの魅力を損なわないように
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断熱性能を高めるために、住まいの魅力を損なうことがあってはいけません。商品設計、防火、耐久技術、構造、現場施工のすべての専門家を巻き込んで、断熱性能を高めてきました。サッシに関してはメーカーと共同開発で、断熱性能を維持しながら、ビスが見えないようなデザインにするなど美しさにもこだわり続けています。
断熱性能が続く住まいに
ミサワホームの外壁パネルは内部が枡状に区切られているため、断熱材のずれが生じない構造になっていますし、断熱材は自社工場で隙間なく充填しています。当社で築27年のオーナーさまの住まいを解体して壁の中を確認したことがあったのですが、断熱材のズレやカビなどによる傷みはありませんでした。快適な住環境が続くことで、心にも身体にもストレスが無い状態が続いていきます。これからも、私たちはお客様の長い幸せな人生が続いていくように取り組んでいきます。
撮影:ミサワホーム 「CENTURY Primore3」新大久保展示場(東京都新宿区)
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profile
- 片田 和也さん
- 1993年、ミサワホームに入社、商品開発・構法開発や住宅設計を経て技術部へ。現在は、技術部性能技術課の課長として、室内環境に関わる技術開発を統括。一級建築士の資格を持つ。仕事のモットーは「快適な住環境により、心と身体ともに健康な暮らしを提案したい」。
関連サイト
ミサワホームの断熱工法