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トップ - THINK LIFE / ライフスタイルを考える - 「片づけ力」を育むのは、ママの大切な仕事です。

interview

「片づけ力」を育むのは、
ママの大切な仕事です。

ライフオーガナイザー
鈴木尚子さん

小学生の男の子と女の子のママである鈴木尚子さん。
現在、SMART STORAGE!の代表として、
家族構成やライフスタイルを重視した整理収納方法を提案している。
2014年3月には、「ママと子どもの心地いい収納」を出版。
子どもたちと対話しながら、片づけ力を育むことの大切さ、
そのことが、子どもの選ぶ力や考える力につながることを語っている。

  • 写真2

  • 子どもの頃から、片づけが得意だったのでしょうか?
    私自身、子どもの頃から片づけが苦手で、母や先生からよく叱られていました。その頃の記憶では、周りの大人から「片づけなさい」と単純に言われてしまい、何をどうすればよいか分からずに、"モノを見えなくすること"が片づけることだと思っていました。でも、それは隠しているだけだと叱られてしまい・・そうこうするうちに、片づけが嫌いなものに変わっていったのです。
    結婚してからは、自分のモノさえ、きちんと管理できていないのに家族のモノまで管理しなきゃいけない。子どもが生まれてからは育児に追われるなかで、家の中が散らかり放題になってしまった。自分が、とても不機嫌な状況になっていて、なんとかしなければと感じていました。
    そんな時、引き出しに何かが詰まっていて、開かなかったのです。きれいにしなければと思い、片づけたのです。そうすると、今まで知らなかった達成感を感じることができました。「片づけるって、こんなに気持ちがいいものなのだ」って実感しました。そこから自主的に収納を研究して、その後に整理収納、思考と空間を整理する手法「ライフオーガナイズ」を学びました。「子どもたちにも片づけを通して、きれいの価値を教えたい」。そう思って、子育てしています。
  • 写真3

    キッチンのリビング側にカトラリーなどの収納。子どもたちが片付けなどをお手伝いしやすくなります。
    扉の裏はお手伝い表になっていて、子どもたちが決められたお手伝いをするとハンコがもらえる。 

  • 子どもたちには、どうやって片づけを教えていますか?
    まずは家族が共有する空間、たとえばリビングをきれいにして暮らすことを見せてあげることですね。そうして片づけるたびに、「きれいって気持ちいい」と言って、きれいに暮らすということが、どのような状態かを見せてあげるのが一番わかりやすい。そうすると、片づいてないと「気持ち悪い」って感じるようになるのです。
    大事なのは、子どもが簡単に気持ちよく片づけできること。我が家がそうなのですが、兄妹でも片づけ方が違います。利き手や利き足があるように、利き脳といって脳の左右にも使いやすい方があるのです。わかりやすく言うと直感的な右脳タイプと論理的な左脳タイプ。それぞれ得意・不得意があるので、どんなやり方が合うのか一緒に考えてあげるのがよいと思います。親の基準ではなく、子どもそれぞれの基準に合わせてあげることが大切です。
    たとえば下着の収納場所を決めてあげた後は、右脳的な息子は「ざっくりと入れるだけでいい」、左脳的な娘は「細かく分けて収める」というふうに、その子に合った片づけ方を一緒に見つけていくとよいでしょう。右脳的な息子にはプリントを整理する時も、「科目ごとに色でファイル分けしてあげる」、左脳的な娘には、「国語や算数といった文字情報をラベリングしてあげる」、といった具合です。
    そして、片づけができないときは、「どうして片づかないの?」と、子どもに聞くことですね。すると「届かないよ」「引き出しが重いから」と、大人には思いがけない答えが返ってきたりする。理由が分ってしまえば、そうしたストレスを一つひとつクリアして「気持ちいいね」って声をかけてあげるのです。
  • 写真4

    片づけが苦手な右脳タイプは、分けて入れるより、使う時に探す方が楽。戻すのが苦手だから、入っていればOKに。
    左脳タイプは出しやすさが重要。「一つひとつ分かれていると選びやすいと思うの!」という本人からの提案に驚かされました。

  • 写真5

    クロゼット左に空きスペースをつくったのは、学校がある時に使っているものを、夏休みなどの間だけ収めておくため。 部屋をきれいにしておくアイデアのひとつです。

  • 片づけを通して、どのような力が育まれるのでしょうか?
    ダンドリする力や論理的思考など、いろいろとありますが、私が大きいなと感じているのは、選ぶ力、考える力ですね。きれいな部屋を保つためにも、モノとの関係を考えること。欲しいと思ったモノが自分に本当に必要なものか。子どもたちが自分たちで考えることが、とても価値があることだと思います。我が家では、モノは簡単には手に入らないというのがひとつの教えです。モノを買うときは、親と子どもが一緒に考えています。
    先日、長男の靴を買うときにも、夫婦と息子で意見を出し合い、いくつもの候補をあげながら探しました。常にモノを買うときは、「それは必要なの?」「ずっと大事にできる?」「クロゼットに入る?」と子どもに言葉をかけてあげること。そうすると、子どもは自ら考えて、答えを出します。考えることが習慣になっていくのです。最近、何かを聞かれても「わからない」と答えてしまう子どもたちが多いと感じていますが、そこで思考停止してしまわないように考える力を育むことも親の仕事です。幼い頃から片づけを通して、親と対話する。きっと、思春期になって悩んでも、親に相談しやすくなると思います。
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    子ども部屋は、きれいにしたくなる、片づけたくなるように。子どもたちの部屋をリフォームしたときに、娘から「こんなに素敵な部屋にしてもらったら、散らかしたくないって思うね!」と言われました。

  • 子育てしているママへのアドバイスをお願いします。
    片づけた後に、どのような時間を過ごしたいか。どんな空間だと、豊かな気持ちになれるかを考えるといいでしょう。私の場合は、家族の笑顔を見ているのが好きだと気づきました。どんな空間であれば家族が笑顔でいられるだろうかと連想したら、やっぱりモノは出ていない方がいい。出ているモノはこだわりのあるものがいい。一人で抱え込んでしまっていては、できないことなので、家族にも動いてもらわなきゃいけない。だから自分の片づけ方を押しつけずに、家族が簡単に気持ちよくできる収納。そうやってシンプルな考え方にいき着いたのです。
    まずは自分から片づけてみること。ちょっとした場所からでいいのです。「きれいはうつる。汚いもうつる」。だから、はじめやすい場所から改善していくことで、きれいな空間は自然に増えていくのだと思います。
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profile

鈴木尚子さん
鈴木尚子さん
鎌倉市生まれ、鎌倉市育ちで、横浜市在住。SMART STORAGE!代表。ライフオーガナイザーとして、家族構成やライフスタイル、価値観を尊重した、オーダーメイドの整理収納方法を提案。また、数々の女性誌でお片づけ企画を監修している。

information

ママと子どもの心地いい収納
ママと子どもの心地いい収納
子どもも、ママにもストレスのない収納とは?「片づけなさい!」と怒ってばかりの生活から家族全員が心地よくなる生活へ。鈴木さんが手がけた収納実例も掲載。2014年3月出版(株式会社KADOKAWAメディアファクトリー)