interview
ママのストレスが消える
子育て家族の片づけ術
整理収納コンサルタント
金内 朋子さん
生活情報誌「ESSE」の収納グランプリで、
大賞を受賞した金内 朋子さん。
4人の子どもと暮らす金内家のテーマは
「家族全員が片づけやすいこと」。
子育て家族が幸せになる片づけ術について、伺った。
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- 片づけは、苦手でした
- 15年前は、私も片づけられない主婦のひとりでした。今から思えば、モノが散らかっている部屋でも、あまり気にせずに暮らしていました。食材を買い置きしたり、ティッシュのストックを買いたしたり、モノは増える一方でした。
子どもが安全に暮らせるように
子どもが生まれると、ますますモノは増えるし、私は子育てで手いっぱい。なかなか片づかない部屋で、長男が1歳になる頃、ファンデーションを口に入れてしまう事件が起こりました。子どもの手の届く場所にモノがあふれていては、不意の怪我につながる。「このままでは子どもたちが安全に暮らせない」と感じて、整理収納術の勉強を始めたのです。
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- わが家のルールを決めました
- 子どもが小さいうちは、家の中でも走り回ったり、相撲ごっこしたり、遠慮がありません。家族が自由にくつろぐ場所がリビングだから、いつでも安全に、好きなように過ごせるために、リビングには私物を置かないことを家族のルールにしました。好きなモノを持ち込んでもいいけれど、自分で片づける。モノが少なければ、動かす手間がなくなるので、掃除もラクです。
子どもたちが自分で片づけるように
たとえば、子どものおもちゃ。おもちゃは子ども部屋に置いていますが、子どもたちはリビングに持ってきて遊びます。だったら、取っ手つきのバケツを用意してあげる。そして使い終わったら、バケツに入れて子ども部屋へ戻すのがルール。おもちゃは、バケツにざっくり放り込んでおけばOKにしています。アクションを簡単にしてあげれば、幼いうちから自分で片づけできます。
リビングが片づくアイデア
リビングがすっきりするように、片づけやすいように工夫しています。よく使う日用品は、使用頻度に合わせて取り出しやすい場所へ。わが家では、テーブルの下のハンモック収納がティッシュの定位置です。引き出しの中はトレイで仕切って、種類分けしたテープを貼っています。「文房具はここ、電卓はこっち」といったルールがあれば、整理もしやすくなります。
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- 片づけをイベントにしない
- 無理なく片づく仕組みがあると、きれいは自然に生まれます。例えば、廊下にかばんや上着などのお出掛けグッズを引っ掛ける場所を作れば、わざわざ片づける感じがなく、負担になりません。「きれいを保たなければ」と、ママがひとりで頑張っていると、疲れてしまいます。ちょっとした仕組みを設けることで、一人ひとりがモノを散らかしたままにしないようになるものです。
娘のピンチに、長男が活躍しました
モノの定位置がわかりやすいと、お手伝いもスムーズにお願いできます。以前、娘が熱を出したと保育園から連絡があり、慌てて迎えに行くことがありました。その時は自宅に電話をして、長男に保険証と診察券を病院まで届けてもらいました。どこに何があるか伝えやすく、見つけやすいと、家事やお手伝いのハードルもぐっと下がります。
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- 子どもたちが、自然に片づける家に
- 勉強机は、子どもたち専用の空間。散らかっていても、口出しはしません。きれいにしておかないと、出かける間際になって慌てたり、大事なプリントを忘れたりします。すると、次はそうならないように、自分で段取りをするようになります。新しいモノが増えて、しまう場所がなくなったら、どれを残してどれを手放すのか、子ども自身が持ち物に優先順位をつけて選ぶことで、判断力が育まれてゆきます。
一緒に考えて、ストレスをなくす
最近は、子どもたちが片づけしやすい環境づくりを考えるようになりました。収納場所を考えたら、「使いやすい?」と聞いてみる。使いづらいようなら、変える。子どもたちも巻き込んで一緒に決めると、自然に家が片づくようになって、「ママ、いらいらしなくなったね」と子どもたちから言われるようになりました。モノが少ないことで、一つひとつのモノと深く向き合うようになり、ゲーム感覚で楽しみながら収納を考えてみたり、自分でもストレスが減ったと思います。
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profile
- 金内 朋子さん
- 整理収納コンサルタント。専業主婦から転身して、整理収納アドバイザー、整理収納コンサルタントとしての資格を取得。主婦目線の実用的でオリジナリティある収納術で、片づかない暮らしの悩みに応えている。
関連サイト
ヘヤコト