構造・工法:
木質系パネル
用途:
住宅

コンセプト

建築概要

北海道は十勝地方、とある都市。遠望には日高山脈。
この都市は、ほぼ正確に東西南北に軸をもって構成され、与えられた敷地はそんな街なかの、或る住宅地である。
東西南北に軸をもつ街の住宅地は、つまり東か西か南か北に角度を持たずに接道することになり、
計画地はあろうことか敷地南側で接道していた。
まことに扱いづらい。
開口の広い南向、日本では極めて価値の高い土地であるかもしれないこの敷地を、
まずは、道路境界線に平行に4つに層化する。
そのうえでそれぞれの敷地レイヤー毎に明確な機能と役割を与えてみると、
パブリックなゾーンとプライベートなゾーン、
子供達のゾーンと大人達のゾーンが美しく文節される。
層化され、機能が与えられた敷地のレイヤーに沿って、必要とされる住宅のエレメントを丁寧に配してゆくと、
そこには、むやみに長く非効率な動線と縦横無方向に長く流れる視線が生まれる。
効率とコストを至上とする経済設計を皮肉ったようなこの住宅での行為と感受とは、
リビングから書斎に行くために階段を上り、Uターンしてブリッジを渡り、
寝室を抜けて再びブリッジを渡る必要性であり、
キッチンからは、中庭を通してリビングルーム、さらに全面道路、向こう三軒まで見通せる視線である。
この住宅は「ヴィラ」名付けられた。ヴィラとは贅沢であり、贅沢とは面倒くさいことである。
これは住宅を設計したのではなく、いちいち面倒くさい空間体験を設計したのであり、
そこに価値を見出してくれたクライアントの生活と贅沢を設計したものである。

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