太陽エネルギーの利用方法には、大きく分けて2種類あります。一つが、太陽の熱を集めて給湯や暖房に利用する「太陽熱利用」。もう一つが、太陽の光で電気をつくる「太陽光発電」です。太陽光発電は、自宅の屋根などに太陽電池を設置し、太陽の光エネルギーを直接電気に変えて発電します。発電した電気は、家庭の電力として、照明機器や家電製品などに使うことができます。 地球上に到達する太陽光のエネルギー量は1m²当たり約1kW。もしも地球全体に降り注ぐ太陽エネルギーを100%変換できるとしたら、世界の年間消費エネルギーを、わずか1時間でまかなうことができるほど巨大なエネルギーであり、しかも、枯渇する心配がありません。
エネルギー量 | ||
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水力 | 1.0 | (5 億Kcal/秒) |
潮汐流 | 1.4 | (7 億Kcal/秒) |
地熱 | 15.4 | (77億Kcal/秒) |
風波 | 176.0 | (880億Kcal/秒) |
太陽光 | 84,000.0 | (420,000億Kcal/秒) |
太陽光発電の最大の特徴は、エネルギー源が無尽蔵で、クリーンである点です。石油を燃焼させて電気を起こす火力発電のように、発電時にCO2(二酸化炭素)や、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)などの大気汚染物質を発生させることがありません。3kWの太陽光発電システムでは、CO2を約25%削減※できると見込まれています。
※次世代省エネ基準試算モデル住宅(122m²)4人家族にて試算。太陽光発電システム出力3.22kW、発電電力量3,311kWh/年。
太陽光発電システムは構造的にシンプルであるため、ほかの発電システムに比べメンテナンスも簡単です。システムの寿命も比較的長く、現在、太陽光発電に用いられる太陽電池の耐用年数は、20年以上とされています(設置場所などの諸条件によって変わります)。
太陽光発電システムは、太陽電池モジュールでつくった直流電力をパワーコンディショナーでご家庭用の交流電力に変換します。3kWの太陽光発電システムなら、年間の発電電力量は約3,311kWhにもなり、暮らしの電気をほぼまかなうことも可能です。
※東京地区、方位真南、傾斜角30°でシミュレーション。実使用時の出力は日射の強さ・設置条件(方位・角度・陰などの周辺環境)、地域差及び温度条件により異なります。
一般の系統連系方式の太陽光発電システムでは電力会社の配電線とつながっているので、発電電力が消費電力を上回った場合は、電力会社へ逆に送電(逆潮流)して電気を買い取ってもらうことができます。反対に、曇りや雨の日など発電した電力では足りない時や夜間などは、従来通り電力会社の電気を使います。こうした電気のやりとりは自動的に行われます。
地震や台風などの災害により、停電になった場合でも、非常用のコンセントとして使えます。停電時にはパワーコンディショナの運転は停止しますが、自立運転機能付きパワーコンディショナを使用している場合であれば、手動切換えにより自立運転した場合、昼間天気が良ければある程度の電気を使用することができます。