人はそこにいるだけで1時間に約100ccの水蒸気を発生します。また、やかんでお湯を沸かすと1時間に約1500cc、3㎏の洗濯物を室内で干すと1000cc、調理をすると1000ccの水蒸気が発生します。水蒸気が直接健康を害することはありませんが、ご存じのように結露を引き起こす原因となります。結露は窓の木部や押入れなどの内部を腐らせ、カビやダニの発生源となります。室内に洗濯物を干さない、調理をするときは換気扇を回すなど普段から心構けて結露の発生を防ぐことが大切です。
日本の花粉症患者は近年増加の一途をたどり、現在ではスギ花粉症だけで1500万人以上、花粉症の総人口は2000万人以上ともいわれ、今後も増加傾向にあるようです。花粉を室内に呼び込まないことがクリーンな室内環境を保つポイントの一つ。花粉が忍び込むのは外部に面した窓サッシや引き戸ですが、それらの隙間をふさぐ毛足の長いテープが市販されています。また、網戸からの花粉侵入を防ぐ網戸フィルターもあります。網戸のメッシュの大きさはふつう1000ミクロン、それに対して網戸フィルターは一般的に80ミクロンとされ、網戸よりも100倍以上の細かい編み目が花粉の侵入を防いでくれます。
換気の法改正の原因にもなったシックハウス症候群を引き起こすのが、ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの有機化学物質です。これらは建材や合板、壁紙などの接着剤などあらゆるものに含まれています。最近では有機化学物質の放散量についての安全基準もつくられ、多くのリフォームメーカーはこれらを含まない安全な建材を使っていますが、市販の家具などに含まれていることもあります。新しい家具などを購入する場合は、十分チェックして安全な製品を選択することが大切です。