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住まいをいつまでも安全にするバリアフリーのポイント
全年齢/人 | 65歳以上 | ||
人 | % | ||
家庭での事故死総数 | 11,202 | 8,268 | 73.8 |
浴槽内での溺死及び溺水 | 2,972 | 2,520 | 84.8 |
スリップ、つまずき及びよろめきによる 同一平面上での転倒 |
941 | 792 | 84.2 |
階段及びステップからの転落 及びその上での転倒 |
454 | 290 | 63.9 |
建物または建造物からの転落 | 385 | 151 | 39.2 |
浴槽への転落による溺死及び溺水 | 86 | 63 | 73.3 |
出典:厚生労働省統計情報部「人口動態統計 年報 平成11年度」より作成
浴室では、足を滑らせて転倒したり、浴槽内で溺れる事故が多く発生しています。出入り口近くと、浴槽の出入り時は、特に注意が必要です。浴室は、心も体もリラックスできる場所。ほっと一息つけるよう安心できる設備を整えたいものです。
浴室入り口の段差解消はもちろん、床の滑り止め加工を採用したり、3枚引き戸などで、開口部を大きく取り、出入りがしやすいようにすると安心です。
浴室の出入り口近くと浴槽の出入り時には、最低限手すりをつけるようにし、後は必要に応じて取り付けましょう。
浴槽内握りバー
握りバー
50cm程度の浅めの浴槽にすると、出入りがしやすくなります。また、浴室の床からの高さは、またぎやすく腰掛けやすい35〜45cmがひとつの目安になります。
高齢になるにつれ、浴槽内など、すみずみまで手が届きにくくなると掃除も大変になります。汚れにくい素材を採用したり、排水口の形状を工夫するなど、省力化を図ることもポイントです。
高齢になると、トイレに行く回数が増え、夜中に起きることも少なくありません。また、足腰が弱まったり、介助が必要になった場合なども想定し、いつでも誰でも快適に使える配慮が必要です。
暗闇の中や、冬の寒い廊下を歩いてトイレに行くのは危険なので、トイレは寝室の近くに設置するのがよいでしょう。フットライト(足元灯)など、移動中の足元を明るくする工夫があると安心です。
介護が必要になったときのために、広さは間口1,350mm×奥行1,350mm以上あるのが望ましいですが、それが難しい場合は、コンパクトトイレなどの採用で、スペースに余裕がでます。
足腰が弱くなると、便座に腰をかける動作も大変になります。スイッチ操作で便座が昇降するトイレなら、足腰への負担を和らげます。
寒い冬は、室内外の急激な温度変化が引き起こす「ヒートショック」現象により、血管が著しく伸縮し、血圧や脈拍が大きく変動することで、脳梗塞や脳出血など深刻な事故に繋がることがあります。特に、浴室や洗面所、脱衣室、トイレなどでは、「床暖房」や「浴室乾燥機」、「足元温風機」、「二重窓」などの採用で、居室との温度差をなくすことが大切です。
サーモフロア
浴室乾燥機
玄関の段差での踏み外しやつまずき、階段での転倒・転落なども多く発生している事故の一つです。十分に考慮して、慎重にプランを考えたい場所です。
高齢になると、靴の着脱の際、座ったり立ち上がったりするのも大変です。そこで、玄関スペースに、ベンチやいすがあると、外出の準備が楽にできるようになります。ベンチ付き玄関収納や格納式いすにすれば、空間も有効に使えます。
ベンチ付き玄関収納
格納いす
階段の踏み外しを防ぐためには、踏み板に滑りにくいコルク素材を用いたり、溝などによる滑り止め対策が必要です。
手すりを設置することで、階段の踏み外し防止になるほか、階段の上り下りも楽になります。階段の途中で切れることなく連続して設置すると安心です。手すりの幅は25〜40mmのものが握りやすいでしょう。
夜間でも階段の段差を見やすくするために、フットライト(足元灯)を設置するのがよいでしょう。足元をしっかり照らし、踏み外しを防止します。
フットライト
ホームエレベーターの設置により垂直方向の段差がなくなり、昇り降りが楽になるだけでなく、転倒や転落事故も防ぐことができます。900mm×900mmのスペースに設置できるタイプもあります。