住まいのどの部位から、どの程度熱が出入りするか
※ミサワホームの一般的な住宅の場合/ミサワホーム総合研究所調べ
リフォームで断熱性能を高めるには、熱の逃げ場所となる天井・壁・床・窓それぞれについて、しっかり見直すことが大切です。また、日差し対策や換気システムの導入も重要なポイントとなります。
熱は主に天井や窓から室内に入り込みます。特に2階部分は屋根からの熱により、冷暖房効果が大幅に低下します。夏の暑さを軽減させるためには、直射日光の影響を最も受けやすい天井の断熱が何より需要です。
押入れの天袋などから専用機械でキュービック状にカットした断熱材を吹き込むブローイング工法なら、施工はとても簡単です。
窓は熱が逃げやすく、その断熱性能は外壁の1/2〜1/5といわれています。つまり、窓の断熱性能向上が「省エネリフォーム」の重要課題となるのです。
1、窓ガラスを高断熱タイプのガラスに取り替える
ガラスのみの交換は約半日で終了します。
・複層ガラス(ペヤグラス)
ガラスを2枚にすることで、断熱性能を向上させる。
・エコガラス(Low-E複層ガラス)
複層ガラスに特殊な金属膜をコーティングし、断熱性能を一層高め、遮熱性能もプラス。
2、窓を二重窓にする
今ある窓はそのままに、内側にもう一つ窓を取り付けます。既存の木額縁に取り付けるだけなので、1窓につき30分〜1時間程度の簡単な工事で終了します。
断熱サッシ
複層ガラス
二重窓
断熱処理をしていない冬場の床は、室温より10℃以上も低くなっています。足元が冷たいと寒さを感じてしまうもの。床断熱が、床下からの冷たい空気をシャットアウトし、足元からの冷えを防いでくれます。特に外気に接するはり出し部分や、1階部分の床はしっかりと断熱処理をしたいもの。床暖房と組み合わせれば、さらに快適性がアップします。
1、床下に断熱材を入れる
台所の床下収納庫や和室の床から床下へ入って断熱材を施工するため、フローリングを剥がす必要がありません。
2、床暖房にする 温水式(ガス、電気)/電熱線式(電気)
輻射熱で足元から暖めるので、実際の室温より高めに感じます。水蒸気が発生しないため、結露も抑制します。
出典:旭ファイバーグラス株式会社
冬場、断熱処理をしていない床は、室内より10℃以上も低くなっています。これでは足下から熱を奪われてしまいます。
壁は、住まいの中でも、外気と接している面積が最も広いので、結露の防止や冷暖房の効果アップに大きく関わってきます。断熱材で住まいを包むことで、熱が外に逃げるのを防ぎ、廊下などの極端な寒さが緩和されます。
1、充填断熱
壁の中に断熱材を詰める
2、外張り断熱
建物の外側から、断熱材で包み込む
3、かぶせ工法
既存の外壁の上に、軽量で断熱性・耐候性にすぐれたガルバニューム鋼板をかぶせます。従来の葺き替え、張り替え工事に比べて廃材が極めて少なく、外張り断熱と同じ効果が得られます。
4、遮熱塗料
外壁を塗り替えるだけ。遮熱性を備えた塗料自体が外気の影響を室内に伝えにくくし、美観も向上します。
出典:旭ファイバーグラス株式会社
外壁の中で断熱材が入っていない部分の温度が上昇。室内の熱が外に漏れているのが、はっきりとわかります。
住まいの断熱性・気密性が高まるほどに大切になるのが換気です。換気システムを導入して、空気質の改善や結露対策を行ってください。窓を閉めたままで空気の入れ替えができるため、冷暖房効果を損なうこともありません。
日射遮へいとは、窓から侵入する太陽の光と熱を遮ること。特に断熱性能の高い住まいでは、日射熱が室内にこもってしまうため、オーニング、スクリーン、ひさしなどによる遮熱対策が必要になります。
オーニング
複層ガラス
二重窓
住まいの断熱性能を高めれば、自然のエネルギーで室内環境を調整することが可能になります。そこでおすすめなのが落葉樹の植樹です。開口部の外側に落葉樹を植えておくと、夏は自然に陽射しをやわらげ、涼しい緑陰をつくってくれます。冬は葉が落ちるので、暖かい陽射しを室内に取り込みやすくなります。光合成によりCO2を取り込むため、地球温暖化防止にも貢献できます。 樹種の例としては、エゴノキやカエデ、ヤマボウシ、コブシ、エノキ、ミズキなどが挙げられますが、地域や敷地に適したものを選びましょう。