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今お住まいの家は、災害に耐えることができますか?
日本で地震が多く発生する理由として、日本列島が4つのプレートの交錯する位置にあるほか、日本中に数多くの活断層があることなどが挙げられます。これほど多くの活断層が存在し、今後も東海・東南海・南海地震や首都圏を襲う南関東地震などがいつ起きても不思議ではないといわれているなか、残念なことに耐震性、耐久性が十分でない住宅が多くあることも事実です。
図:日本をとりまく海溝と主な活断層

※日本をとりまく海溝と主な活断層

倒壊の恐れのある1000万戸

1981年に、旧耐震基準法に代わって、筋交いや面材による耐力壁を設けることを義務づけた「新耐震設計法」が施行されました。これ以前に建てられた約1000万戸の住宅は、耐震性が不十分であると推計されています(※1)。さらに1981年以降の住宅でも約6割に耐震性の問題があるとされています(※2)。
このことから、「いつ建てられた住宅であるか」が住まいの健康状態を判断する一つの目安になります。特に30年以上経過した木造住宅は、老朽化に伴う耐久性の低下が指摘され、地震などの自然災害に対して不安の残るものとなっています。

※1:「平成20年住宅・土地設計調査」(総務省)を基にした国土交通省住宅局推計より
※2:木造住宅耐震補強事業者協同組合調べ

地震に強い家・弱い家

甚大な被害をもたらした1995年の阪神・淡路大震災。人的被害の80%以上が倒壊した建物によるものといわれ、倒壊の要因のほとんどが、質量不足・接合部の緊結不足・壁の配置バランスの悪さ・腐朽・蟻害によるものでした。家族を守るはずの住まいが、ときに凶器に変貌してしまうこともあるのです。地震の被害を最小限に留めるためにも、住まいへの地震対策が不可欠です。

地震に強い家、弱い家 ー在来木造工法住宅編ー

強い家

軽い屋根の家

地震時の水平荷重を受けた場合、スレートや鉄板葺等の軽い屋根材の建物は、瓦などの重い屋根葺きの建物に比べて、比較的、耐震性が高いといわれています。

金物で補強している建物

柱脚と土台を金物で緊結する補強は、柱に生じる引抜力に対する抵抗力が上がり、高い耐震効果があります。

筋交いが適正に配置されている建物

建物に水平方向から加わる力に対する抵抗力が高く、強固な建物といえます。筋交いと併せ、合板など面材を用いて耐力壁とすれば、さらに有効です。

弱い家

弱い地盤や液状化しやすい地盤に建つ建物

弱い地盤の揺れとともに建物も大きく揺れます。弱い地盤に建つ木造住宅では、壁量(壁の比率)を増やし、耐力壁を多くすることが大切です。

12畳以上の空間のある建物

1階に続き間の大部屋や吹き抜けがあると、耐力量が減り、耐震性が低くなります。

複雑な形の建物

凸凹の多い複雑な平面形の建物は、建物の中心からの距離にばらつきがあるため、揺れ方がばらばらになり、倒壊しやすくなります。