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耐震診断は地震対策の第一歩
地震対策には、住まいの耐震性能をしっかり把握し、それにあった適切な耐震改修を行うことが重要です。まずはご自身で住まいの健康状態を確かめてみましょう。一般の住宅の所有者、居住者が簡単に扱える診断法として、「誰でもできるわが家の耐震診断」(※)などがあります。ご自身の診断結果に不安な点がある場合は、プロによる専門的な診断をおすすめします。
※国土交通省住宅局の監修により日本建築防災協会が作成

Step1 誰でもできる我が家の耐震診断

下記の設問が診断の目安になります。チェック項目がひとつでもあったら、プロによる耐震診断を検討してみましょう。

  • □ 1981年以前に建てた
  • □ 屋根が雨漏りする
  • □ 建具の建てつけが悪い
  • □ 少しの揺れで柱がきしむ
  • □ 壁が少なく、窓が大きい
  • □ 基礎・外壁に目立つヒビがある
  • □ 重い屋根である(日本瓦等)
  • □ 建物のカタチが複雑である
  • □ 結露に悩んでいる
  • □ 5年以上白アリ対策を行っていない

Step2 耐震診断のプロ、耐震診断技術者がチェック

基礎や床下、壁の内部、屋根など、住まいの裏側は普段なかなか見ることができません。外見では判断できない内部の状態を、経験豊富な耐震診断技術者がくまなく調査し、耐震度だけでなく耐久性の問題も明確にしていきます。

耐震診断には、建物のおおよその耐震性能を目視で診断する一般診断と、お住まいの裏側まで入念に調査する精密診断があります。一般診断で耐震補強の必要性が認められた場合は、精密診断に基づいた耐震補強工事が必要となります。

耐震診断のチェックポイント

図:耐震診断のチェックポイント

地盤・基礎

建物の揺れは地盤によって異なり、地盤の強弱によって耐震補強方法も変わってきます。地盤の状況を把握するとともに、基礎についてもひび割れなどを目視でチェック。さらにコンクリートの強度や鉄筋の有無、木材の含水率などを詳しく測定します。

壁の強さ・バランス

建物の形だけでなく、壁の配置や壁量(壁の比率)も耐震性に大きく影響します。壁が建物の中心から各方向、4隅に同じ割合でバランスよく配置されている建物は、地震発生時の荷重を分散して逃し、柱への負担を軽減します。

老朽化

老朽化が進むと建物はもろくなり、地震などにおける倒壊の危険度も増します。

  • 写真:土台の含水率計測

    土台の含水率計測

  • 写真:柱の傾斜計測

    柱の傾斜計測

  • 写真:コンクリート強度測定

    コンクリート強度測定

  • 写真:基礎の背筋調査

    基礎の配筋調査

  • 写真:コンクリートのひび割れをチェック

    コンクリートのひび割れをチェック

Step3 耐震診断結果の判定基準

耐震診断の結果は、日本建築防災協会により発行された「木造住宅の耐震診断と補強方法」に基づく「耐震診断基準」をもとに、総合的な評点で評価されます。
「耐震診断基準」は、建物の実地調査をもとに壁の配置や壁の強さ、老朽度といった、建物そのものの耐震性を数値化したもので、保有耐力と必要耐力の関係が1:1になる評点1.0が耐震性能の基準となります。評点1.0とは、震度6の揺れに対して「一応倒壊しない」レベルとされています。

上部構造の評点 判定
1.5以上 倒壊しない
1.0以上〜1.5未満 一応倒壊しない
0.7以上〜1.0未満 倒壊する可能性がある
0.7未満 倒壊する可能性が高い

耐震診断報告

耐震診断後は、お客様の考えを伺い、ご要望に沿った補強計画をご提案し、確かなデータに基づいて耐震設計・耐震補強工事を実施します。
柱や筋交い等の接合部には金物補強を行います。また、必要に応じて、鉄筋の入っていない基礎には添え基礎等で補強します。土台が腐朽または蟻害を受けている場合などは取り替え工事を行うなど、評点1.0をクリアする適切な補強・改善工事を実施します。