費用を抑えるには、こだわりたい部分を絞り、メリハリをつけることが大切です。はじめに、家族それぞれの希望や意見を出し合いながら、優先順位を細かく決めてリスト化していきましょう。「キッチンのカウンタートップの材質をステンレスにするか人造大理石にするか」また、「床材はカーペットかフローリングか、大理石か」など、材質や仕上げの違いで、費用も大きく違ってくるので、こだわる部分をよく見極めて、しっかり予算配分をしてください。
リフォームの予算オーバーは、追加工事による場合が多いものです。少しでも減らすために、プランニングの段階で細部にわたってチェックしておきましょう。窓をはじめ、コンセントやスイッチの位置、部材の色や材質など、工事途中で変更すると追加費用が発生する場合があります。
ただし、壁を解体して初めてわかった構造部の傷みなどは、住まいの安全にとって補修が必須な部分です。例外と考えましょう。
予算オーバーになりそうなときは、最初に決めた優先順位リストに照らし合わせて再チェックを。タイル貼り希望の外壁を、部分的に貼る、タイルのグレードを下げる、再塗装する、また大理石の床材を、大理石調フローリングにするなど、折り合い地点を見つけていくことができます。
予算全額をリフォーム費用につぎ込むのではなく、追加工事など想定外の出費に備えて予備費を確保しておくことも大切です。リフォーム予算を検討する際は、総予算の10〜30%を予備費として確保しておくとよいでしょう。総予算が300万円の場合、当初のリフォーム予算を210〜270万円に設定し、予備費として30〜90万円を確保しておけば、いざというときに安心です。
コストダウンだけを考えてあきらめを残すようでは、結局かけた費用がムダになってしまいます。あと少しプラスするだけで期待以上の満足や快適性が得られる場合も。特に毎日使う部分は、後々「やっぱりこうしておけばよかった…」という後悔が生まれがちです。使用頻度も考え合わせて予算配分をしていきましょう。
限られた予算の中でも、空間をグレードアップできる方法もあります。巾木や枠材、建具などの材質やライン、寸法を揃えて空間を整理することで、引き締まった美しいデザインのインテリアに。また、照明を変えてみるだけでも、ガラッとイメージが変わり、表情豊かな空間にできます。予算がないからとあきらめずに、リフォームエンジニアにご相談ください。