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ギラギラ照りつける太陽をシャットアウト。
できるだけ熱を排除する工夫を。
夏の直射日光が室内へ侵入すると、室温の上昇を招きます。最近の住宅は気密性が高いため、一度室温が上がると、そのまま熱がこもる傾向に。まずは、日差しを遮り、室内への遮熱対策を考えましょう。冷房の効率もアップし、省エネに貢献できます。

[工夫その4] 住まいの外廻りで遮熱

敷地の中に積極的に植栽を取り入れると、日差しを遮るだけでなく、光合成により空気中の二酸化炭素(CO2)を取り込み、酸素(O2)を排出することで地球温暖化防止にも役立ちます。カーポートも部分的に緑化すると照り返しが軽減できます。

落葉樹を植える

南や東、西向きの窓の前に、落葉樹を植えると、夏は強い日差しを遮り、冬は落葉して、あたたかな日差しを招き入れてくれます。お住まいの地域の気候にあった樹木を選んでください。植物は光合成時の代謝作用で空気を浄化し、蒸散作用で冷気も発生させてくれます。

落葉樹を植える

グランドカバー植物を植える

地面には、表面を覆う芝生やリュウノヒゲなど、グランドカバー類の植物を植えると、日光の照り返しを防ぎ、雑草の繁殖も抑えてくれます。カーポートも一面アスファルトにせず、ところどころに土を残してグリーンスペースをデザインすると、車がないときも美しく、潤いも感じられます。

グランドカバー植物を植える

ベランダも緑化

ベランダにパーゴラを設け、ツタなどツル性の植物を這わせると、自然の庇が誕生。ベランダに扇風機を出して、植物を介して室内へ向けると、涼しい風が送り込めます。

ベランダも緑化

池や水辺をつくる

池にも空気を加湿冷却する効果があります。ホームセンターにある池キットを庭に埋めたり、テラスの一部に一段下げたスペースをつくり、暑い季節だけ水を張るなど、ちょっとした水空間を演出すると視覚的にも涼しくなります。

  • 池や水辺をつくる
  • 池や水辺をつくる

[工夫その5] 窓の外部で遮熱

日光は、ガラスのみだと8割、カーテンをしても5割が室内へ入ってきますが、外部に日除けがあると2割ですむというデータがあります。つまり日除けは、住まいの外部につけた方が倍以上効果的。庇やすだれなどを活用して、住まいの外でしっかり日差しをブロックしましょう。

すだれ・よしず

一番安価で手軽なすだれやよしず。立てかけたり、吊したりと、南や西側の窓を覆うと、70〜80%の日差しを遮蔽でき、風は通してくれます。ただし天候には要注意。強い風が吹いたり大雨の時は、取り込んでおきましょう。

すだれ・よしず

オーニング

電動スイッチや手動ハンドルで、軒の出を調節できるオーニング。西側など低い位置で日光が差し込む場所には、いっぱいに出して。デッキなどと組み合わせれば、カフェ風の雰囲気を楽しむこともできます。リフォームで後付けも簡単です。

オーニング

庇を設ける

建物の軒や庇は、屋根や外壁リフォームの際に見直したい部分。軒の出は、地域で多少差はありますが、開口の高さの0.3〜0.4倍にするのが最適です。真上から照りつける夏の日差しを軽減して日陰を作り、室内の温度上昇を抑えてくれます。また、太陽の位置が低い冬は、あたたかな日差しを室内へ取り込めます。

[工夫その6] 住まいの内側から遮熱

外部で日光を遮ることが難しい場合は、窓の内側にガラス用遮熱フィルムを貼ったり、ペアガラスを採用する方法も。2階が暑いと感じたら、屋根の断熱材もチェックしましょう。

遮熱フィルム

窓ガラスにシートを貼るだけの簡単施工で、有害な紫外線をカットでき、遮熱効果あります。ハンマーなどで叩いても割れにくい防犯タイプや、飛散防止防災タイプもあります。なお、ペアガラスに貼る場合は注意が必要です。使用メーカーのホームページなどで、きちんと確認してください。

ペアガラス

今お使いのサッシ枠はそのままで、1枚ガラスから、空気層を挟んだ断熱性の高いペアガラスへ交換できます。夏の熱気だけでなく、冬の冷気や結露対策にも効果的です。断熱用と遮熱用の2種類あり、南側には断熱タイプを、西側には遮熱タイプを用いるのが効果的です。

断熱材のチェック

天井裏へ上がれる点検口があれば、屋根の断熱材の量を増やすこともできます。2階が暑いと感じているなら、現在の断熱材の量が適切かどうか、チェックしてみてはいかがですか。

[工夫その7] 室内での発熱を抑える

室内にも、様々な家電製品から熱が排出されています。特に排熱の多いのが冷蔵庫。止めることはできませんが、中身をできるだけ詰め込まず、壁から少し離して置くと、消費電力を抑えられます。 また薄型でも大型のテレビは、かなりの熱を発しています。こまめにスイッチを消し、出かける時などは、主電源を切りましょう。そして忘れがちなのがパソコン。使用中は排熱する場所をふさがないよう、必要のないときはシャットダウンを心がけてください。電球の衣替えもおすすめです。電球を蛍光灯型電球に変えると、発熱量も軽減でき、白い光は電球色より視覚的に涼しく感じられます。