快適な室内環境で冬でもあたたかな住まい
強い火力で素早く部屋をあたためる石油ストーブは、ランニングコストが安いこともあって、寒冷地を中心に多くの家庭で使われています。ただ、閉めきった室内で石油ストーブを数時間使うと、CO2濃度は0.5%(※)程度にまで上昇するといわれているので、空気の汚れが気になる方には、床暖房やオイルヒーターがおすすめです。
※一般環境下では、空気中のCO2許容濃度は0.1%以下と定められています。
火を使わないので、きれいな空気が保たれる床暖房は、水蒸気が発生しないので結露が起こらず、カビやダニの繁殖も抑えられます。 オイルヒーターは、密閉容器内で難燃性の油を温め、暖かい空気を室内に対流させるので、石油ストーブほどのパワーはありませんが、空気を汚さずじんわり暖めてくれます。どちらも換気の回数は最小限で済むので、高断熱住宅におすすめの暖房機器です。
床暖房というと、大掛かりな工事が必要と思われるかも知れませんが、「短期間で床暖房を設置したい」「できるだけ費用を抑えたい」という方におすすめなのが、後付タイプの床暖房です。今お使いの床の上にそのまま温水マットを敷き、専用の床材を重ねるだけで快適なあたたかさが実現します。(ドアの下端の考慮が必要な場合があります。)
一方、インテリアや部屋の雰囲気に合わせて仕上げ材を使い分けたいという方には、多彩な仕上げ材からお好みのものをお選びいただける本格リフォームタイプがおすすめです。 床暖房の仕上げ材として人気が高いのは、フローリングですが、その他にもコルクやタイル、畳など豊富な素材やカラーからお好みのものを選ぶことができます。床暖房の快適さはもちろん、室内のイメージも思いのまま。用途に合わせて最適なものを選びましょう。
天然木をベースに作られるので足触りが心地よく、最も人気のタイプです。木質やカラーなど、バリエーションが豊富なのも魅力。ダニの繁殖やホコリの舞い上げを極力抑えられるので、生活の中心となるリビングやダイニングに最適です。
静音効果と適度なクッション性があるコルク材は、元気に駆け回るお子さまのお部屋にピッタリ。表面が濡れても滑りにくいという特性があるので、トイレや脱衣室といったサニタリーにもおすすめです。
水ハネや汚れ、キズに強く、お手入れしやすい床材です。天然石をイメージさせる美しいデザインが魅力。熱伝導性や蓄熱性に優れているのも、特長の一つです。
やさしい肌触りが人気のカーペット。耐衝撃性に優れ、カラーバリエーションも豊富です。抗菌・防臭などの機能も充実しています。
床に直接座る和室だからこそ、床暖房の魅力を十分に体感していただけるはず。通常の畳は断熱性が高く床暖房に適しませんが、専用に開発された熱伝導率の高い畳なので、暖かさは他の仕上げ材と同様です。
快適な住まいづくりのために、近年、窓まわり対策が注目されています。窓は最も外気温の影響を受けやすいため、冷暖房が効きにくい、結露がひどいといった悩みが少なくありません。断熱性の高いペア(複層)ガラスが普及していますが、さらに高性能な「低放射(Low-E)ペアガラス」もあります。特殊金属膜を室側のガラスにコーティングしたタイプを「高断熱複層ガラス」といい、室内の熱を外部に伝えにくくして暖房効率を高めます。一方、室外側のガラスにコーティングした「高遮熱複層ガラス」は、日射の熱を反射し、西日の入る部屋でも効率よく冷房できます。こうした窓を地域や建物の方位、住宅性能などによって使い分けることで、冬暖かく夏涼しい住まいになります。