高齢者の占める割合が年々増加
平成21年人口動態統計によると、家庭内における不慮の事故で、亡くなった方は、一年間で12000人以上を超え、そのうちの約8割が65歳以上の高齢者です。その数は、交通事故による死者を上回るほどなので、いかに住まいの中に危険が潜んでいるかがお分かりでしょう。 特に、加齢とともに、足腰・握力や視力、聴覚や嗅覚などの身体機能が低下する高齢者は、家庭内で転倒などによるケガが生じやすくなるほか、ガスもれや火の消し忘れによる火災など大きな事故につながる恐れもあります。 家庭内における不慮の事故が最も多く発生しているのは浴室で、次いで、転倒事故が多発する階段や段差のある場所などがあげられます。
全年齢/人 | 65歳以上 | ||
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人 | % | ||
家庭での事故死総数 | 12873 | 10,150 | 78.8 |
浴槽内での溺死及び溺水 | 3626 | 3,187 | 87.8 |
スリップ、つまずき及びよろめきによる | 1383 | 1226 | 88.6 |
同一平面上での転倒 | |||
階段及びステップからの転落 | 480 | 381 | 79.3 |
及びその上での転倒 | |||
建物または建造物からの転落 | 401 | 188 | 46.8 |
浴槽への転落による溺死及び溺水 | 42 | 31 | 73.8 |
出典:厚生労働省統計情報部「人口動態統計 年報 平成21年度」より作成
日本の高齢者をとりまく住環境は、急速な高齢化の進展についていけない状況で、介護施設や高齢者住宅(※)なども不足しているのが現状です。今後、介護が必要になっても施設に入れない高齢者が急増する恐れもあるため、住みなれた自宅により長く快適に住めることが重要になってきます。高齢者にとって快適な設備を整え便利にすることで、介護する人にとっても、家族みんなにとっても使いやすい空間になります。将来を考慮した住まいのあり方を検討してみてはいかがでしょうか。
(※)バリアフリー化され、介護や緊急通報サービス、安否確認、生活支援等、高齢者の安心に繋がるサービスを提供している住宅