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風通しをよくし住まいの熱を排出する
熱は外部からの進入だけでなく、室内からも発生しています。調理するときはもちろん、冷蔵庫などの家電機器、パソコン、テレビ、照明も熱を発しているので、少しずつ熱が溜まっていきます。家の中に溜まった熱を排出するには、まず風通しをよくすることが第一です。網戸などを活用し、家の中に風の通り道をつくりましょう。間取りをできるだけ開放的にして、熱だまりをつくらないことも大切です。

風の通り道をつくる

住まいに風を通すには、窓を開け放つのが一番。ただし1つの窓を開けるだけでは効果がありません。風が入る入口と、風が吹き抜ける出口が必要です。風はまっすぐ流れるため、入口と出口は対角線上にあるのが理想的です。
夏は南側の地面や屋根が直射日光で熱せられるため、建物の南面下には40℃近い熱気が漂い、上昇気流が生まれます。反対に北側は日陰のため、地面付近には涼気が漂っています。そこで建物の北側の低い位置に地窓を設けて涼気を室内に引き込み、南の高窓やトップライトなど上部から抜けていくようにすると室内を風が通り抜け、涼しくすることができます。

風の微気候デザイン 風の微気候デザイン
 

風の流れを邪魔しない開放的な間取りに

風の流れをよくするには、間仕切りの少ない開放的な間取りが理想的です。窓際には家具などを置かないようにすると風が通ります。部屋を見回して、風の通り道を邪魔している家具やモノなどないか確認しましょう。
夏の間だけ、ドアやふすまを取り払って、のれんを下げるのも一案です。風が通りやすくなり、見た目にも涼しげです。

風の流れを邪魔しない開放的な間取りに

明け方の涼しい空気を取り入れる

明け方の涼しい空気を取り入れる

夏でも明け方の空気は涼しいものです。朝、ちょっと早起きして涼しい風を部屋一杯に取り入れれば、日中の温度上昇を抑えることができます。涼しい空気を取り込んだら、涼しい空気を逃がさないよう窓を閉め、夕方徐々に涼しくなっていく空気を取り込むように、空気の入れ替えをするとよいでしょう。

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打ち水で涼をとる −−雨水タンクを活用−−
打ち水で涼をとる −−雨水タンクを活用−−

比較的温度が低い朝・夕に地面に水をまくことで、気化熱が発生し、温度上昇を抑制することができる「打ち水」。近年、エコ意識の高まりとともに、この古くからの知恵が見直されています。打ち水に有効な時間帯は、午前中(外気温が上がる前)と、日没前後(夜間に持続的効果を持たせる)。雨水タンクがあれば、水道水を使わず、気軽に打ち水ができます。簡単取付工事で、雨樋からの雨水をタンクに貯留。集中豪雨の際の雨水流出抑制効果も。

玄関網戸

玄関は閉めたままにしておくことが多く、熱気が溜まりがちな場所。玄関や勝手口に網戸を取り付けることで、風の通り道ができます。簡単に取り付けられるアコーディオン式の網戸や、ドアを閉めておいても中央のガラス羽根板の上下で風を取り込める採風玄関ドアなどがあり、さまざまなドアのサイズに取り付け可能です。

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住宅の密集する都市部での窓の開け放しは、プライバシーの問題や防犯面も気になるところです。防犯面格子、通風雨戸、通風シャッター、窓の開口制限ストッパーなどを取り付けることで、夜間も安心です。