室内の家具は、転倒防止金具を使って固定しておくと安心です。転倒防止金具には、突っ張り棒タイプと金具タイプがあります。金具タイプは、接する壁の下地材(桟)がある部分につけます。ドライバーなどで壁を叩いて、ボコボコという音がしたら下地材がない部分で、コンコン音がしたら下地材のある部分です。同様に、家具も桟が入っている部分に金具を留めることが大切です。桟が見つからない場合は、家具の端から端まで板を渡して金具を取り付け、壁の下地材と家具をきっちり固定することが大切です。
テレビや冷蔵庫、ピアノなど大型のものには、それぞれ専用の転倒防止ベルトが市販されているので活用しましょう。
家具の転倒を防止するもうひとつの工夫が、家具の上部の隙間を埋めることです。天井部に近い、高さのある家具なら化粧箱や新聞紙の束などを家具と天井との隙間に挟み込みます。隙間なく埋め込むことで家具と天井が平面で固定されます。挟み込むための高さ調節が可能な収納ユニットも販売されています。
家具の転倒による危険を回避できるよう、造り付け家具にするのもおすすめです。置き家具と異なり転倒の恐れがないため安全です。
キッチンの吊り戸棚や食器棚の扉などには、市販の止め金や耐震ラッチを取り付けることで、高い場所からものが飛び出すのを防ぐことができます。揺れを感知すると自動的に扉をロックし、収納物の落下や飛び出しを防ぐ安全装置です。
地震により建物が変形すると、その影響でドアも変形することがあります。歪んだドア枠がドアを押さえつけるのでドアが開かなくなり、家の中に閉じ込められてしまいます。このような二次災害を防ぐため、ドアが変形してもドア枠との間に隙間ができるように設計されたドアを採用することで、非常時に避難経路の確保ができます。
通常のガラスに比べて割れにくい住宅用強化ガラスは、万が一割れた際も粒状になるので、破片でケガをしにくいのが特徴です。強化ガラス以外のガラス部分には、市販の飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。
降った雨水を樋を通じてタンクに貯水するので、断水時のトイレなど生活用水として活用できます。また、普段からお風呂の浴槽に水を貯めておくのも有効です。
エコキュートや電気温水器は貯湯式で、常に水道水をタンクの中に貯めているため、非常用水コックを開くことでタンク内の水を直接取り出し生活用水として利用できます。
太陽光発電システムがあれば、停電時でも自立運転機能(※)で日射量に応じて発電するため、必要最低限の電力が確保できます(最大1.5KWの電力が使用可能)。太陽光発電は、省エネ効果だけでなく、非常時のライフライン確保の手段として注目されています。
※停電時に太陽光発電による電力を使用できる、自立運転機能を使う為には、「自立運転コンセント」が必要です。
さらに電気を確保したい場合には、蓄電池がおすすめです。太陽光発電によるエネルギーを蓄えられるうえ、充電しながら電力供給ができます。電力ピーク時に活用し、ピークカットに役立つ活用法や夜間用の補助電源としての活用などエネルギーの最適化を実現します。
一般的な耐震補強リフォーム工事では、耐震診断基準で定める評点1.0を満たせば完了になりますが、このままでは震度6以上の地震が起こった場合、家は倒壊しないものの、家が傾いてしまう恐れがあります。大地震の際に求められるのは、倒壊しないのはもちろん、住まいの損傷を最小限に抑えることです。「耐震」+「制震」リフォームの「MGEO-R(エムジオアール)」は、地震のエネルギーを吸収して建物の揺れを抑えると同時に、構造体やサッシ・内装材などへの損傷も抑えることができます。 「MGEO-R(エムジオアール)」を採用するには、建物の耐震性能が高いことが前提となるので、耐震診断後、確かなデータに基づき耐震設計・耐震補強工事を実施します。鉄筋の入っていない基礎には鉄筋化工事で補強。柱や筋交いは金物補強を行うなど適切な補強・改修工事を実施します。