リフォームには、一部だけを工事する方法から全体を直す方法などさまざまな方法があります。スケルトンリフォームはその規模や自由度から、住宅全体を変更するリフォームのひとつと考えることができます。
基本的に、希望する間取りへの実現が可能になるのがスケルトンリフォームの特徴といえるでしょう。
「スケルトン」とは英語で「骨格・骨組み」を意味しています。最初に家の構造部分となる骨組みだけを残してほとんどの部分を解体する、大規模なリフォームがスケルトンリフォームです。
住宅の内部・外部で床・壁・天井・水道設備などを撤去、一度柱や梁だけの状態にして、ほとんどゼロの状態から間取り・内装・設備を作り直すリフォームといえるでしょう。通常のリフォームでは難しい給排水管を移動することもできるため、水廻りの位置を変えることもできます。
戸建てやマンションなど、スケルトンリフォームは実施する建物によっても特徴が異なります。戸建てとマンションでは、リフォーム可能な範囲などに注意しなければなりません。
戸建ての場合には、柱や梁など建物の躯体だけを残して屋根や外壁まで解体撤去してからリフォームを行います。対してマンションのリフォームは、室内のコンクリートをむき出しにし、内装・設備を撤去して、占有区間全てを1から造り上げます。
スケルトンリフォームは、大規模なリフォームを行う特徴から、間取りを大きく変える、設備を変更するなどさまざまな工事を行えるメリットがあります。一般的な部分リフォームではできない工事がある場合に、最適なリフォーム方法です。
スケルトンリフォームでは、一度構造体以外全てを解体するため、それまで部屋を区切っていた壁も取り去ります。そのためリフォーム時に、元の間取りを気にする必要がありません。好きな位置に壁をつけて部屋の数やリビング・寝室の広さなどを決定でき、間取り変更や配線・水廻りなどを移動できる点もメリットのひとつです。
ライフスタイルの変化に合わせて生活動線を変えたり、バリアフリーに対応させたりするなど、快適に過ごせるようにリフォームを実施できるでしょう。
築年数が経つと、配管や配線の老朽化も進みます。スケルトンリフォームでは、配管などの修繕や新しいものへ交換することも可能です。
壁の内側や天井裏、床下に断熱材を追加する断熱対策を考えている場合にも適しているでしょう。築年数によって住宅が現在の耐震基準を満たしていないケースもあるため、スケルトンの状態に戻し、基礎や構造体の劣化をよく確認した上で十分な補強を行う耐震補強工事も行えます。
ほかにも、現在の建物の面積を変えずに家を改築できる、新築の家を建てたり買い替えたりするよりもコストを抑えられるなどのメリットがあります。新築に比べコストを抑えて、自分好みのコンセプトを採用した新築同様の住宅で暮らすことができるでしょう。
メリットの多いスケルトンリフォームですが、リフォームを行う際にはデメリットもあります。中には向かない住宅もあるため、リフォームの検討時にはデメリットまで把握しておくことが大切です。
規模の大きいリフォームになるため、部分リフォームよりも費用がかかる点に注意しましょう。解体後に新たな劣化が見つかり、費用がさらに追加されるケースもあります。
家のリフォーム費用が高額の場合はローンの借り入れも検討しなければなりません。
解体後に問題が見つかるケースもあるため、工期が予測しにくいデメリットもあります。リフォーム中には仮住まいへの引っ越しが必要になり、賃貸住宅など物件を探す手間や費用がかかり、工事期間が延びると家賃などの費用を払う期間も追加されるかもしれません。
工事期間については、リフォーム会社を選ぶ際に相談するのがおすすめです。
建物の構造によっては、間取りなどを自由に設計することができない点には注意が必要です。動かせない壁などがある場合、希望どおりにリフォームできないこともあるかもしれません。
個人の趣味や好みに合わせた個性的・特徴的な家にし過ぎると、売りに出すときの価値が落ちるケースもあり、買い手や借り手がつきにくくなるため注意が必要です。
壁式構造のマンションや、基礎の劣化が進んでいる戸建て住宅など、スケルトンリフォームに向かない住宅もあるので、よく確認してから決定する必要があります。壁式構造のマンションでは、建物の構造を支える壁を残さなければなりません。
マンションでは窓やドアなどの共用部分を変えることができないため、間取り変更にも制限があります。管理規約によっては水廻りの移動、エアコンの設置場所などリフォームの範囲が限られているかもしれません。
戸建て住宅では、基礎の部分が劣化している場合に追加で補強が必要になります。劣化の状態によっては補強費用によりリフォーム費用が建て替え時よりも高額になるケースもあるため、後からトラブルにならないためにもリフォーム会社に建物診断をしてもらいましょう。
間取りや配管などさまざまな部分を変更できるスケルトンリフォームは、家の老朽化だけでなくライフスタイルの変化に合わせて行うのもおすすめです。家族が生活しやすい住宅を維持、改善するためにはスケルトンリフォームを行うタイミングを選ぶと快適に生活できるでしょう。
出産、子どもの成長、両親との同居などで家族の人数が増えたときや部屋数を増やしたいときには、リフォームにより間取りを変更できます。
スケルトンリフォームでは、配管・配線の交換や適切な耐震補強が可能なので、内装や設備の経年劣化による不具合の改善、耐火性能や耐震性能の強化を考えているタイミングを選びましょう。コンセントの増設、水廻りの位置を、動線を見直しながら使いやすい場所に移動できます。
新築の住宅を購入するよりもコストを抑えられるのが、中古住宅購入時にスケルトンリフォームを行う方法です。費用を抑えながらも、立地のよいマンションや戸建てに使いやすいキッチンなどの設備を入れて快適な住宅で暮らせることから、満足できる住宅が購入できるでしょう。
スケルトンリフォームは、基礎や骨組みだけを残して行う大規模なリフォームです。設備は新しく設置、間取りも自由に変えられるため工事の自由度が高いですが、構造上の成約もあるためデメリットも確認して工事を比較検討しましょう。
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