interview
夫婦で家計管理して、
お金の不安を安心に
ファイナンシャルプランナー
塚越 菜々子さん
共働き世帯を中心に
年間約200件の家計管理の
サポートを行っている塚越さんに、
先々が安心になる
家計管理のノウハウを聞いた
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- ぼんやりとしたお金の不安
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「共働きで収入はあるけれど、お金は貯まらないし、将来の教育資金、老後の備え、住宅費用は大丈夫なのだろうか」。そんなふうに、お金の不安を抱えている方は多いですね。多くの方は、家計管理について学ぶことがなくて「どうしたらいいか、なにから始めていいのか」がわからないんです。不安だから、いきなり家計の予算を立てたりして‥‥でも収まらなくて嫌になってしまう‥‥そんなケースはよくありますね。
正しいステップで家計管理を
正しいステップを踏んで、毎月の家計を管理していけば、お金の不安は安心に変わります。気持ちが明るくなります。具体的には、4つのステップをチェックして進めていきます。①家計の現在地、②過去のお金の使い方、③貯める必要があるお金、④家計で見直せるところ 。③のステップは、ライフプランをつくることにつながります。お金の計画は、人生の計画ですから。
仲良し夫婦ほど、お金が貯まります
夫婦でもお金の話はしづらいものです。おすすめのタイミングは、結婚したときと子どもが生まれたとき‥‥未来に向かっての話し合いができるのでいいですね。どんぶり勘定ではお金は貯まりません。将来を計画して家計管理していくことが大切です。お金について、オープンに話し合う仲良し夫婦ほど、お金が貯まります。
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- お金が貯まる仕組みづくり
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4つのステップで難しいのは、ステップ3の"教育と老後と住宅"などの貯める必要があるお金の試算です。教育費用は意外に簡単です。ゴールを決めて、逆算していけばいい。ここでのポイントは「どれだけかかるか」ではなく「どこまでかけられるか」です。
早めに教育費用を話し合う
教育費用は親が出すものと思っている方が多いのですが、子どもが多いと全額を出せる家庭は多くないと思います。進路の方針は夫婦で異なることも多いので、早い段階で、進路や教育費の計画、奨学金をもらうかどうかを考えておいて、進路の話が出る中学生のころには「どこまで負担できるか」を親子で話すといいですね。
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- 難しいのは老後費用です
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老後費用は、家庭ごとに違いますね。年金だけで収まる方もいます。でも、共働きだと生活サイズが大きくなりがちですので、年金だけでは収まらないことが多いんですね。それに、教育費用や住宅費用は先に出ていくので、老後にしわ寄せが行きがち。でも、早めに貯めれば、月々の貯蓄額は抑えられます。時間を味方につけることが大切になります。
住宅は人生の優先順位で考える
賃貸と購入の損得はよく相談されるのですが、状況によって変わるので一概には言えません。「どのような暮らしを望むのか」という価値観を、夫婦で明確にして判断するのがいいですね。私たちは子育てを楽しむために、長女が1歳で、長男を妊娠中に住宅を建てました。
家電の買換え費用もお忘れなく
家電などの買換え費用や年・数年に一度の保険料といった特別支出も、貯めておきたいお金です。内閣府の2024年消費動向調査によると、エアコンや冷蔵庫は約14年、洗濯機は約10年で買い替えられていました。家電は高額になっていますし、そこで安易にローンを組んだりすると、雪だるま式に負債が増えてしまいます。
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- 安心して暮らしていけます
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3つのステップを終えたら、最後のステップです。貯める必要のあるお金の貯金額を決めて、家計を見直して「収入に見合った暮らし」を考えていきます。そうしていくと、使える変動費が見えてくるので、その範囲内で収まっていれば安心です。特に家計簿はつけなくても大丈夫ですね。
すべてのステップで約20時間
すべてのステップを進めていくには、おおよそ20時間が目安だと思います。時間も手間も必要ですが、夫婦が一緒につくる家計管理の計画は、とても強力です。優先順位をプランできますし、数字の根拠がわかります。変更があれば自ら修正することができますから。そして、なにより、守りたくなる予算になります。
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- お金の管理は家族それぞれ
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共働きのご夫婦だと、共通財布をつくる方が増えています。共通財布で、家族のお金を管理‥‥月々の生活費や将来のための貯金などはここで管理します。そして、プライベートなお金は、それぞれの別財布にする。もちろん、すべて出し合ってお小遣い制でもいいですし、項目ごとに出すでもいい。その管理方法はよく相談を受けるのですが、夫婦がベストだと思う方法がいちばんです。
選択肢が多い人生を
家計管理を考えることで「どのように暮らしていきたいか」が見えてきます。夫婦でも、価値観の違いはあるものです。早いうちにすり合わせしておくといいですね。お金が人生の選択肢を広げてくれることはあります。お金を計画しておくと、その選択するタイミングで判断しやすい。その結果、家族の幸せを大きくできると思います。
今を楽しむことも忘れずに
今の時代は不安が大きくて「貯蓄に回したい、投資に回したい」という人は多いんですね。でも、お金はあの世には持っていけません。そのときにしか楽しめないことはたくさんあります。老後に、楽しい思い出を買い戻すことはできないんです。ぜひ、そのためにも夫婦で家計管理を話し合っていただきたいですね。
撮影:「CENTURY 蔵のある家」 湘南平塚展示場(神奈川県平塚市)
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profile

- 塚越 菜々子さん
- ファイナンシャルプランナー、株式会社KANATTA代表。保険を売らないファイナンシャルプランナー(CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。1984年神奈川県生まれ、二児の母。税理士事務所に15年間勤務。2017年に独立後、2800人の家計や資産運用のサポートを行う。平均的な家計に合わせるのではなく、わが家が大事にしていることにお金を使う家計作りが好評。YouTubeでは、専門的なお金の話をやさしく発信(登録者数11万人)。著書は『ファイナンシャルプランナーのお金の知識「暮らしでトクする部分だけ」まとめました(KADOKAWA)』など多数。
関連サイト
FPナナコの部屋











