
明治大学理工学部梶川研究室とミサワホーム総合研究所は、独自技術を用いた一般寺院の耐震改修に取り組み、その有効性を実証した。ミサワホーム総合研究所がこのほど発表したレポート(通称:エムレポ)で明らかになった。
日本には約7万7000の寺院が存在するが、その98%は国宝や重要文化財ではない一般寺院。これらは国や自治体の補助が得られる文化財とは異なり、耐震化の費用を檀家の寄付に依存せざるを得ないため、診断や補強が十分に進まず、震災時の被害が大きな課題となっている。
エムレポによると、今回のプロジェクトで2カ所の寺院で顕著な成果が得られる見込みだ。大阪府の浄土宗大福寺では、屋根荷重の軽減や基礎補強に加え、木材の経年変化による歪みに対応した「ゆとりを持たせる仕組み」と、現場での接着組み立て技術を組み合わせた壁面補強を実施。これにより耐震性能評価は改修前の0.7から1.1へと向上した。
また、和歌山県の浄土宗西念寺では、地震力を吸収する高減衰ゴムを用いた制震デバイスと、木質接着複合パネルによる補強を導入した。この制震装置は大断面の柱間に配置可能で、壁の少ない寺院建築の構造に非常に適している。その結果、耐震性能評価は0.42から2.35へと飛躍的に引き上げられる予定だ。
これらの事例は、一般寺院が抱える耐震性不足という課題に対し、ミサワホーム独自の補強技術を組み合わせることで広く対応できる可能性を示したといえる。寺院を地震から守ることは、災害に強いまちづくりを推進する上でも、極めて重要な役割を果たす技術として注目される。
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