
老後における暮らし方や相続への備えについて考える「老後の住まいと相続についてのセミナー」が、6月20日、沼津プラサヴェルデ(沼津市)で開催された。ミサワホーム静岡三島店と三井住友信託銀行沼津支店の共催。
第1部では、(一社)高齢者住宅協会理事の吉田肇氏が「どうする自宅&実家!~親子で考えるこれからの住まい方選択~」と題して講演した。
吉田氏は、2050年には静岡県内の要介護者が現在の約1.3倍に増える一方、病院や施設は増えないという予測を提示。「どこで誰とどうやって暮らすか、漠然とした想いを真剣に考える必要がある」と訴えた。
高齢者の約7割が自宅での最期を希望するものの、現実は8割以上が病院や施設で亡くなっており、理想と現実に大きなギャップがある。また、高齢者の事故の約8割が住み慣れた自宅内で発生している事実を指摘。
「介護はある日突然の出来事ではなく、計画的に準備するもの」と強調し、50代からの「備えるリフォーム」を提唱した。
さらに、子どもが独立した後の広い二階建てから、一階中心の生活や平屋へとダウンサイジングする建替えの選択肢、毎月の支払いを利息のみに抑えるシニア向け住宅ローン「リバース60」などの資金計画手法を紹介し、ゆとりある豊かな老後への備えを促した。
第2部では、三井住友信託銀行沼津支店のトラストコンサルタント・小林由美氏が「今から考える相続対策~円滑な相続に向けて~」をテーマに登壇した。
〝争続〟が増えている現状や所有者不明土地の社会問題化、その対策としての不動産登記義務化などの制度面など相続を取り巻く環境変化を背景に、相続対策も変わってきたことを説明。生前贈与や遺言、遺言信託などを活用しながら、円滑な相続に備えてほしいとアドバイスした。
セミナー終了後には個別相談会も開かれたほか、高齢者疑似体験コーナーも設けられ、実際に装備をつけて体験する参加者からの感嘆の声も聞かれた。また、「平屋を見学したい」「今日の話を息子にも聞かせたかった」といった感想も寄せられていた。
人生百年と長寿時代を豊かに生き抜くためにも、問題を先延ばしにせず「今すぐ準備を始める」ことの大切さを再認識させる有意義な一日となったのではないだろうか。

